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マンションライフでSDGs! 〜日常生活でできること、マンション改修でできること〜

SDGs 日常生活

SDGsという言葉もすっかり耳になじんできたこともあり、何か行動を起こしたいと思っている方もいるかもしれません。今回はSDGsの基本を確認しながら、マンションライフの中でSDGsに貢献できることをご紹介します。

目次
1. SDGsを簡単にいうと?
2. マンションの日常生活でSDGsに貢献できること
3. マンションの改修でSDGsに貢献できること

SDGsを簡単にいうと?

SDGs(Sustainable Development Goals)を簡単にいうと、「2030年までに地球上のさまざまな問題を、地球上に住むすべての人たちで協力しあい解決していこう」ということです。

SDGsは、2015年に国連で採択された「持続可能でよりよい社会の実現を目指す開発目標」であり、地球環境・気候変動やエネルギー問題、貧困や飢餓、教育や働き方、不平等の解消など、「社会、経済、環境」の3つを柱に地球規模で取り組むべき課題を網羅した17のゴールを定め、これらを2030年までに達成すべき世界共通の目標としています。

●どうしてSDGsが必要なのか?
それでは、どうしてSDGsが必要なのでしょうか。それは人類が永続的に生活していくためには、地球環境や社会を維持していかなければならないからです。 例えば地球温暖化問題では、このまま気温が上昇し続け気候変動や生態系に影響が及ぶと、人類の生活に支障が及ぶことが予測されています。 地球上に住むすべての人に関わる諸問題の解決に取り組むため、SDGsは「誰ひとり取り残さない」という理念を掲げ、国や企業だけでなく、すべての人々が参加して推進することが必要とされているのです。

マンションの日常生活でSDGsに貢献できること

SDGs 日常生活

日常生活の中でも、一人ひとりがSDGsに貢献できることは色々とあります。マンションでもできる身近な取り組みの例を挙げてみましょう。

・節水・節電
節水・節電は、エネルギー問題に直結します。
節水では、「シャワーを出しっぱなしにしない」「食器洗いは“ため洗い”にする」「洗顔は洗面器を使う」など、毎日のちょっとした心がけで水の使用量が抑えられます。
蛇口から水を出しっぱなしにすると、1分間で約12リットルが放出されるため、無意識のうちに大量の水を無駄にしていることになりかねません。
節電では、「エアコンの温度設定を適正に調節する」「使っていない電化製品は電源をこまめに切る」「夏はトイレの便座の温度を下げる」など、無意識に放置している電気の量を見直すことで効果を上げられます。また、遮光・遮熱カーテンなどを合わせて使用するのもおすすめです。

・ゴミ問題
ゴミ問題は、事業系のゴミと家庭系のゴミに大きく分けられますが、排出の割合としては家庭系のゴミの方が多くなっており、これを減らす取り組みが大切です。
家庭系のゴミには、焼却されるものとリサイクルされるものがあります。焼却されるものの中で多いのは生ゴミですが、その80%は水分といわれています。ゴミを出す前に生ゴミの水切りをするだけでも、焼却エネルギーの削減につながります。
野菜くずなどはコンポストで堆肥を作り、ベランダガーデニングなどに利用する方法もあります。
リサイクルできるゴミでは、紙ゴミ・プラスチックゴミ・繊維類(古着など)などを分別して回収に出すように心がけましょう。
また、最近はラベルのついていないペットボトル飲料なども販売されていますので、こうした商品を利用するのもゴミの削減につながります。

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・食品ロス
食品ロスは、食糧資源の無駄使いや廃棄に伴う焼却エネルギーの消費、二酸化炭素の排出など、様々な問題を含んでいます。
食品ロスを減らすポイントとしては、「買いすぎない」「作りすぎない」が基本です。家庭で食べきれる量はどれくらいかを把握し、食材のストックなども管理していきましょう。
また、余った食品でも消費期限に余裕があるものは、フードバンクに寄付するといった方法もあります。この場合は、どんな食品を受け付けているか確認することが必要です。
食品ロスや食材のストックについては、以下のサイトで詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

食品ロス(フードロス) 削減のために、家庭でできることを実践しよう!
マンションでの防災対策。一年に一度の備蓄の日に日常備蓄をチェック!
リボベジってなに?食品ロスを減らしてSDGsに貢献!

・宅配ボックス(再配達を減らす)
宅配便の再配達を減らすことも、実はSDGsにつながっています。ネット通販の利用増加に伴い、再配達率も高くなってきたことは、配達車両による二酸化炭素の排出量を増加させるという弊害をもたらしています。
国土交通省によれば、2021年10月のデータでは、国内の再配達率が11.9%に上るという調査結果も出ています。
同省では、再配達を減らすために宅配ボックスの利用などを推奨していますので、こちらも取り入れることを検討したいところです。

・フェアトレード商品を選んで買う

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フェアトレード商品を買うことでもSDGsに貢献できます。フェアトレードとは、途上国の生産者と先進国の消費者が行う公正な貿易のことで、それによって生産者の生活を向上させるのが目的です。
フェアトレード商品には、コーヒーや果物、チョコレートなどの食品、洋服やバッグ、アクセサリーなどのファッション製品、スポーツボールなど、様々な品目があります。
これらを見分ける目印のひとつが「国際フェアトレード認証ラベル」です。また、それ以外のラベルや商品に書かれている説明などでも見分けることができます。

※SDGsへの貢献については下記記事も参照ください
エシカル消費って何? マンションライフで実践する社会への思いやり行動
プラスチックフリーな蜜蝋ラップ作りに挑戦! ?環境にやさしいマンションライフ

マンションの改修でSDGsに貢献できること

SDGs 日常生活

施設・設備の面からSDGsに貢献できることもあります。マンションの改修を例に見てみましょう。

・バリアフリー化
日常生活をする上で障害となるものを取り除き、障害者や高齢者などが生活しやすい環境にするのがバリアフリーの基本です。これは、SDGsの「誰一人取り残さない」という理念に沿ったものです。
共用部分では、入り口の段差を取り除く、スロープの設置、点字ブロックや手すりの設置などがあります。

・EV用充電スタンドの導入検討
二酸化炭素の排出量が少ない電気自動車(EV)の普及が進むとともに、必要になってくるのがEV充電器です。首都圏のマンションなどでは、EV用充電スタンドの導入も進みつつあります。
充電スタンドの設置とEVの普及は両輪の関係にありますので、今後は既存のマンションでも導入の検討が求められるでしょう。

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・省エネ+創エネ! マンションZEH化(ZEH-M)
国のエネルギー基本計画で、2030年までに新築住宅での普及を目指すとされているのがZEH-Mです。ZEH-Mとは、Net Zero Energy House Mansion(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)の略で、省エネ型集合住宅におけるモデルのひとつです。
具体的には、住宅の断熱性などを高め、省エネ性能を向上させるとともに、太陽光発電の導入などでエネルギーを創り出す、「省エネ」+「創エネ」のシステムを取り入れた住宅を指します。
これにより、住宅の利用に伴う直接的なエネルギー消費量をプラスマイナスゼロに近づけることを目指します。

●身近なところから参加しよう

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EV用充電スタンド導入やZEH化など、既存のマンションへの導入は現実的に難しいですが、「節水・節電」や食品ロスなどの「ゴミ問題」は、今すぐにでもはじめられるアクションです。また、再配達を減らすために宅配ボックスや置き配指定を事前に設定することも、私たちが参加できるアクションです。
これからの未来のために、手軽にはじめられることから参加してみませんか。

■あわせてお読みください。
・食品ロス(フードロス) 削減のために、家庭でできることを実践しよう!
・リボベジってなに?食品ロスを減らしてSDGsに貢献!
・マンションでの防災対策。一年に一度の備蓄の日に日常備蓄をチェック!
・カーボンニュートラルとは何? マンション住民が地球温暖化対策でできること
・マンションにおける省エネ対策「電力需給ひっ迫警報」に備えた心構えを
・社員に聞くシリーズ 京葉第一支店、京葉第二支店における「ちばSDGsパートナー制度」への取り組み〜
・断熱リフォームをすれば、冬も夏も快適に 電気代の節約にも!
・グリーンカーテンづくりに挑戦! 植物の力を活用して、省エネ・快適な夏を過ごそう


■この記事のライター
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2022年11月14日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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