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【現場取材レポート】地域に根ざす、その第一歩。建装工業・沖縄初案件の大規模修繕工事 〜エンゼルハイム泉崎/那覇市〜

沖縄 大規模修繕工事

工事現場で活躍する現場所長や現場担当者を取材するシリーズです。
今回訪れたのは、建装工業にとって沖縄初進出となる「エンゼルハイム泉崎」の大規模修繕現場です。地域性や施工体制など、これまでとは異なる環境の中で、現場での工夫や想いを、現場所長の山路さん、若手現場担当の小林さんのお二人にお話を伺いました。

目次
1. 工事現場の概要
2. メンバー紹介
3. 工事の特徴: ― 初進出・沖縄の現場ならではの難しさ ―
4. チームづくり、作業者とのコミュニケーション
5. 居住者とのコミュニケーション
6. 竣工に向けて
7. 編集後記

1. 工事現場の概要

工事名称 エンゼルハイム泉崎 大規模修繕工事
建物規模 SRC造、地上13階建て
所在地 沖縄県那覇市泉崎2丁目105番13号
竣工年 2000年
工事期間 2025年10月14日〜2026年2月28日
発注者 エンゼルハイム泉崎 管理組合
工事内容 大規模修繕工事

2. メンバー紹介

---本日はお忙しい中、ありがとうございます。建装工業が沖縄県に出店してから、記念すべき1号案件ということで、楽しみにしてまいりました。まずは、今回の現場を管理しているお二人から自己紹介をお願いします。

沖縄 大規模修繕工事

左側が現場所長の山路さん、右側が小林さん

山路さん(現場所長):
現場所長を務めている山路です。私は2010年に入社し、関西支店での現場経験を積んだ後、現在は九州支店に所属しています。これまで数々の大規模修繕工事を担当してきましたが、今回は私にとっても特別な意味を持つ現場です。
建装工業として初となる沖縄県でのマンション大規模修繕工事において、現場所長という大役を任せていただきました。この現場は、私たちがこれから沖縄に根ざした企業として歩み始めるための、大切な「第一歩」です。だからこそ、必ず成功させ、地域の皆さまに信頼していただける実績をつくりたいという強い気持ちで臨んでいます。

小林さん(現場担当):
2023年に入社しました、3年目の小林です。私は宮城県出身で、これまで東北や他県で過ごしてきたため、沖縄での現場勤務は今回が初めてです。
正直なところ、入社前はまさか自分が沖縄の現場に配属されるとは思ってもいませんでした。現在は、日々の業務を通じて、現場運営のノウハウや職人さん・居住者さまとのコミュニケーションの在り方を必死に学んでいます。気候も文化も異なる土地での仕事は、毎日が新しい気づきと学びの連続で、非常に充実しています。

3. 工事の特徴: ― 初進出・沖縄の現場ならではの難しさ ―

---建物の特徴や、施工計画を立てるうえで特に意識された点を教えてください。

沖縄 大規模修繕工事

駐車場にある吹き抜け部分の仮設足場

山路さん(現場所長):
今回の「エンゼルハイム泉崎」は、吹き抜けが多く、建物形状が複雑なSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)13階建てのマンションです。
施工上の大きなポイントとして、「動線の確保」と「周辺環境への配慮」の2点が挙げられます。
まず、駐車場が1・2階に配置され、車両の侵入経路や居住者さまの歩行動線が複数に分けられています。そのため、足場の組み立てなどの仮設計画や、日々の安全対策には細心の注意を払っています。
また、物件が面しているのは4車線の幹線道路で、非常に交通量が多く、朝夕は歩行者も絶えません。この「街の活気」の中で、いかに安全かつスムーズに資材搬入や作業を進めるかが重要になります。

さらに、全57戸のうち2店舗が現在も営業を続けられています。工事中も営業に支障が出ないよう、「丁寧な調整」と「こまめな声がけ」を心がけています
居住者の皆さま、そして店舗の方々。一人ひとりとのコミュニケーションを積み重ね、信頼関係を築くことで、初めて「工事へのご理解とご協力」をいただけるのだと実感しています。

4. チームづくり、作業者とのコミュニケーション

---沖縄の現場では海外出身の職人さんも多いと伺いました。多様なメンバーが働く中で、山路所長がチーム作りや現場運営で特に大切にされていることは何でしょうか?

沖縄 大規模修繕工事

壁に貼り付けられた手書き+写真の掲示板

山路さん(現場所長):
沖縄の現場では、国籍、言語、文化も異なる多様な仲間が働いています。その中で私が最も大切にしているのは、「相手を知り、相手の立場で考えること」です。その第一歩として、私はまず全員の名前を覚え、必ず名前で呼ぶことから始めました。名前を呼ぶことは、相手を「個」として尊重しているという、最もシンプルなサインです。これだけで心の距離が一気に縮まり、現場での相談や報告がスムーズに上がってくる「信頼の土壌」ができると思います。

また、コミュニケーションで心を近づける一方で、業務の「規律」を保つために、事務所の壁一面に手書きの掲示物を張り出しています。安全上の注意、作業手順の要点、その日の段取り、工程の変更点……。

あえてデジタルではなく「手書き」にこだわるのは、その方が目に留まりやすく、私自身の意図や熱量が伝わると考えているからです。口頭だけに頼らず文字として残すことで、伝達の漏れや解釈のズレを徹底的に防いでいます。

さらに、海外出身の職人さん向けに、それぞれの母国語での挨拶やキーワードも掲示しています。大切なのは、完璧な文法よりも「あなたの言葉を知ろうとする姿勢」を見せること。その歩み寄りが、現場全体の団結力を高め、結果として高い安全と品質を支える両輪となっています。

小林さん(現場担当):
山路所長が、言葉の壁を越えて職人さんたちと信頼関係を築いている姿を間近で見て、大変勉強になりました。私も、所長を見習って「名前で呼ぶこと」と「母国語での挨拶」を心がけています。すると、職人さんも笑顔で応えてくれるようになり、現場の空気が明らかに柔らかくなるのを肌で感じています。所長の「まず相手を知る」という教えは、私の現場運営の指針の一つになりました。

5. 居住者とのコミュニケーション

---工事期間中は、騒音や通行の制限など、居住者や近隣の方々への影響が避けられません。コミュニケーションにおいて、特に心がけていることはありますか?

沖縄 大規模修繕工事

山路さん(現場所長):
私の一日は、現場周辺の清掃から始まります。これは単に綺麗にするだけではなく、敷地内はもちろん、隣接する道路や外周まで自分の足で歩き、ゴミの有無や安全上の問題がないかを「現場責任者の目」で直接チェックする大切な時間でもあります。
また、この時間帯はちょうど通勤・通学の時間と重なります。すれ違う近隣住民の皆さまや居住者の方々と、まずはしっかりと挨拶を交わし、何気ない会話を重ねることを何よりも大切にしています。

沖縄 大規模修繕工事

6. 竣工に向けて

---最後に、竣工に向けた意気込みをお聞かせください。

沖縄 大規模修繕工事

取材に対応する山路さん(左)と小林さん(右)

小林さん(現場担当):
この沖縄1号案件という歴史的な現場に携われていることを、誇りに思っています。山路所長のもとで学んでいる「相手の立場に立って物を見る姿勢」を身に着け、無事に竣工を迎えることが今の私の目標です。この現場をやり遂げたとき、一回り成長することができれば嬉しいです。

山路さん(現場所長):
頼もしいですね。現在、協力会社や職人さんとの連携は非常にスムーズで、現場は最高のチームワークのもと、順調に工事が進んでいます。また、何よりも居住者の皆さまが温かく見守り、ご協力くださっていることが私たちの大きな支えです。

私たちのゴールは、単に工事を終わらせることではありません。竣工の日に、居住者の皆さまから「建装工業に頼んでよかった」と心から感じていただくことです。沖縄での第1号案件をしっかりとやりとげて、街に根ざした企業として皆さまに認めていただけるよう、「安全第一で」最後まで丁寧に取り組んでまいります。

沖縄 大規模修繕工事

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7. 編集後記

建装工業にとって初となる沖縄県での大規模修繕工事。本現場では、確かな技術力はもとより、人と真摯に向き合い、地域と丁寧に向き合う姿勢が随所に感じられました。
本工事が、建装工業にとって沖縄に根ざす確かな第一歩となることを願うとともに、現場が最後まで安全に、そして無事に竣工を迎えることを心より祈念いたします。

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■この記事のライター
□熊谷皇(くまがいこう)
国立大学法人 鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境工学(温熱環境、省エネルギー)。国土交通省住宅の省エネ基準検討WG委員、日本産業規格JIS A 9521(2017)技術コンサル、建築環境省エネルギー機構(IBEC)・日本建築センター(BCJ)・職業能力開発総合大学校の講師を歴任。日本建築ドローン協会(JADA)WG委員。

(2026年1月26日新規掲載)
*本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合がありますので予めご了承下さい。

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