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グリーンカーテンづくりに挑戦! 植物の力を活用して、省エネ・快適な夏を過ごそう

グリーンカーテン
マンションのバルコニーでガーデニングをしようと考えている方に、これからの季節にぜひおすすめしたいのが「グリーンカーテン」(緑のカーテン)づくりです。暑い夏の日差しを植物が遮ってくれるので、エコで快適に過ごすことができます。

今回はこのグリーンカーテンをつくるために、まず知っておきたいことをご説明します。

目次
1. グリーンカーテンをつくる利点と注意点
2. 具体的に計画を立てましょう
3. グリーンカーテンができる植物

1. グリーンカーテンをつくる利点と注意点

グリーンカーテンとは、建物の壁や窓、バルコニーなどに張ったネットにツル性の植物を隙間なくからませてつくる、植物の力を利用した自然のカーテンです。

グリーンカーテンの利点は、何といっても夏の日差しを遮り、室内を涼しくしてくれるところでしょう。そのため、冷房費用も節約でき省エネ効果が期待できます。
日本で昔からある日よけには「よしず」がありますが、よしずは日に当たると温まり、それ自体が熱を発してしまいます。グリーンカーテンならば、単に日差しを遮るだけでなく、茎の中に蓄えられた水分が葉の表面から蒸発するため、日光によって熱くなりにくい性質があります。そのため、自然な心地よい涼しさを体感することができます。
冷房が苦手な方には、エコで自然な涼しさを得られるグリーンカーテンは、体を過剰に冷やしてしまうこともないため、特におすすめです。

また、隣の家と距離が近い場合や、窓からの眺めが良くない場合などには、外側からも内側からもちょうど良い目隠しになります。外側からは外観を美しくでき、家の中からは外を眺めると緑に囲まれている気分で心が和むので、こうした点もグリーンカーテンの魅力です。

グリーンカーテンをきれいに保つには、まめに手入れをする必要があります。
ツルがきれいに絡まっているかどうかをチェックしたり、水や肥料を適時与える必要があります。また、植物が枯れた後にネットから外す作業も必要です。
このように、手間のかかる面が注意点といえますが、その分きれいなカーテンができ上がったときの喜びも大きいものです。手入れの要点を押さえて、日常の習慣として慣れてしまえば、初心者の方でも十分につくることができます。

なお、マンションなどの集合住宅のベランダで作る場合、ベランダが非常の際の避難経路にもなりますので、通り道をふさがないように設置することが大切です。
また、2階以上にお住いの方は、熟れた果実が下に落下しない用にこまめに刈り取り、周りの安全に気を配りましょう。
そして、排水溝を枯れ葉で詰まらせたりしないように、いつもきれいにしておく必要があります。台風などの強風時に、ネットが煽られて支柱が倒れたりすることもありますので、台風が来る前にネットを外して対応できるように取り付けましょう。
グリーンカーテン

2. 具体的に計画を立てましょう

グリーンカーテンづくりに必要なものは以下の通りです。

・苗
・タネ
・プランター
・鉢
・鉢底石
・培養土
・肥料 
・支柱
・ネット

まず、どの種類のグリーンカーテンにも重要な条件は、日当たりも風通しも良いこと、そして水はけも良いことです。ご自宅のベランダがそのような条件を満たしているかを、まずチェックしてみましょう。
ベランダガーデニングの場合は、プランターや鉢から育てていくのが一般的な方法です。また、種から育てる方法と苗から育てる方法があります。種から育てる場合は好きな種類が手に入りやすく、育てる楽しみもありますが、初心者の方は苗から育てる方が失敗が少なく楽に育てることができます。

まずは、水はけをよくするための鉢底石を敷いて慣らした上で、肥料を混ぜた培養土を加え、30〜50cm間隔に根鉢がちょうど入るくらいの穴を掘り、苗を入れます。

次に、プランターにネットを取り付けます。ネットを張る方法としては突っ張り棒を使ってネットを張る方法や、支柱を立てて固定していく方法、また物干竿などを利用して吊り下げる方法があります。ご自宅のベランダに適した方法を見つけましょう。

成長し始めたら、紐やワイヤーを使ってネットに巻きつけていきます。これは、つるを伸ばして成長する植物に行う方法で、「誘引(ゆういん)」といいます。
また、それだけでは上に伸びていってしまうので、横にはわせるために茎の中心の芽を積む「摘心(てきしん)」という作業が必要になります。葉の広がり方を見ながら上手に誘引と摘心を繰り返すことで、綺麗なグリーンカーテンをつくることができるのです。

3. グリーンカーテンができる植物

グリーンカーテンをつくることができる植物には下記のようなものがあります。
グリーンカーテン
・ゴーヤ
グリーンカーテンの定番ともいえるのがゴーヤです。
虫がつきにくく、日当りの良いところで水やりを忘れなければぐんぐん成長するので、初心者の方でも育てやすい植物のひとつです。また、ゴーヤの実は栄養分も豊富で、収穫して夏の料理の食材に加える楽しみもあります。
翌年も育てる場合は、同じ土から育てると生育が悪くなってしまうという特質があるので、プランターでつくる場合はプランターの土を交換するようにしましょう。

・キュウリ
サラダなどにも使えるキュウリは、グリーンカーテンを楽しみながら便利な自家菜園としての役割も担ってくれます。
成長が早いのが特徴ですが、ゴーヤとは異なり病害虫に注意が必要です。まずは健康な苗と良い土を選ぶこと、そして有機肥料を少なめにすることが病害虫を防ぐ第一歩です。

・フウセンカズラ
小さな白い花が咲き、小さな風船を膨らませたような可愛らしい実がつく植物です。
フウセンカズラでグリーンカーテンをつくれば、洋風でおしゃれなベランダに変身します。病害虫にも強く、日当りと水はけの良い場所であればどんどん成長する育てやすい植物です。

・クレマチス
花を楽しみたい人におすすめしたい植物がクレマチスです。クレマチスは非常に多くの品種があり、常緑タイプと落葉タイプがあります。花の咲く時期も種類によって違うので、ガーデニング計画を立てる際に、自分に合ったものを選んで育てることができるのも、楽しみの一つといえるでしょう。

省エネにつながることから、低炭素社会の実現に向けて環境省や各自治体などもグリーンカーテンを推進しています。
市役所や図書館などの公共施設で採用されているのを見かけたことのある方も多いかと思います。
地球にも人間にも優しいグリーンカーテン、この夏にぜひつくってみてはいかがでしょうか。


《この記事のライター》
大塚 麻里絵
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター

(2019年6月3日記事更新)

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