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ダニに刺された! イエダニに刺された跡の特徴とマンションでの駆除方法
寝ている間にダニに刺されたことはありませんか? 家の中に生息しているダニとして主に「イエダニ」があげられますが、刺された後はかゆみをともない、時にアレルギーなど深刻な健康被害を引き起こすことがあります。
今回は、イエダニの生態とマダニやトコジラミとの違い、そして駆除や寄せ付けない対策についてお伝えします。
目次
1. どこからダニは入ってくるの? イエダニの生態と主な侵入経路
2. ダニに刺された跡がこんなところに!? マダニやトコジラミとの違いとは
3. マンションのイエダニを駆除したい! 寄せ付けない対策とポイント
どこからダニは入ってくるの? イエダニの生態と主な侵入経路
ダニには様々な種類がいます。その中でも、マンションに現れて人を刺すダニの代表格がイエダニです。イエダニは主にネズミに寄生しているため、昔はネズミとともに室内に侵入し、ネズミの血液をエサとして繁殖し続けます。本来であればイエダニは宿主であるネズミから吸血するだけで十分生きられるのですが、生息環境によっては人間の血を吸うことがあります。現在は、マンションにネズミがいなくてもイエダニが生息するケースが多発していますので、ご注意をお願い致します。洋服・バッグ・ペット・ゴミ等に付着し、室内に持ち込むケースが多発しています。特に、諸外国からの帰国時は要注意です。
イエダニは他のダニ同様、高温多湿な環境を好みます。夏の時期、特に梅雨時の暑くてジメジメしたタイミングで最も繁殖が盛んになるため、人に被害が出やすくなるのもこの時期です。ただし、冬場であったとしてもエアコンや加湿器など使用状況によって高温多湿な条件が揃ってしまいます。
ネズミが侵入できる環境や高温多湿な環境であれば、イエダニの発生リスクは一年中あると考えておいたほうがよいでしょう。
ダニに刺された跡がこんなところに!? マダニやトコジラミとの違いとは
イエダニに刺された場合、最も気付きやすい症状はかゆみで、患部が赤く腫れることで気付きます。まずイエダニに刺された場合「太ももの内側」「お腹まわり」「二の腕」など、柔らかく、刺しやすく、見えにくい場所を刺してくることが多いのが特徴です。症状の程度には個人差があり、3〜4日程度はかゆみや赤みが引かないこともあります。また、蚊と同様に吸血を通じて感染症などを媒介する恐れもあるため、注意が必要です。
ほかにも、イエダニのように人を刺す生物に「トコジラミ」や「マダニ」などがいます。
それぞれの特徴をまとめると次のようになります。
生息場所 | かゆみ | 大きさ | |
イエダニ | 家の中(ネズミ) | あり | 〜1mm |
トコジラミ | 家の中(布団等) | あり | 5〜8mm |
マダニ | 屋外 | なし | 3〜10mm |
比較してみると、イエダニの小ささがよくわかります。目視できないほどではありませんが、先述の通りイエダニが吸血する箇所は二の腕など目立ちにくい部分なので、刺される前に気付くことは難しいでしょう。
一方、トコジラミは目視しやすいですが布団などの寝具で繁殖しているケースが多く、肌が露出している部分であればどこでも刺すので、就寝している間に首筋などを刺されて気が付くことが多いでしょう。
なお、マダニに関しては屋外に生息しているので、山道を歩いたり、公園を散歩したりする際にはなるべく肌の露出を抑えることが対策となります。マダニは吸血の際に感覚を麻痺させる物質を注入するため、刺された時にかゆみを感じにくくなっています。数日〜1週間程度経って血を吸い終わった後に離れますが、症状の現れはじめには個人差があり、早い人で2〜3日後から発熱などの症状が現れます。マダニの口は特殊な構造をしているため、刺された場合は無理に引きはがそうとせず皮膚科等で適切な処置を受けてください。
マンションのイエダニを駆除したい! 寄せ付けない対策とポイント
マンションにイエダニが発生した場合、昔はダニそのものを駆除することももちろん重要ですが、より効果的なのはネズミの駆除を実施することでした。イエダニは基本的には人ではなくネズミに寄生する生物なので、室内でイエダニを見かけるということはネズミの侵入経路がどこかにあると考えたほうが良かったからです。イエダニ発生の原因であるネズミ対策をしない限り、再発生してしまいます。ネズミの駆除に関しては、保健所などの専門機関に相談して対策を講じてみてください。
しかし、近年、高断熱・高気密化が進んだ住宅・マンションでは、洋服・バッグ・ペットに付着し、室内に持ち込み、ダニが単独で生息するケースがほとんどです。すでに発生してしまったイエダニに対してはダニ専用の殺虫剤や燻煙剤などを使用することで一時的な対処ができますが、根本的な対応については保健所・専門家・業者に相談して下さい。
また、イエダニの発生を予防するためには「こまめな掃除」と「室内環境を整える」ことが重要です。
不衛生な環境であればネズミも生息しやすくなるため、必然的にイエダニの数も増えていきます。日々の掃除を怠らないことで、人間にとっては快適で、ネズミやダニなどの生物には不快な状態を維持しましょう。
室内環境に関しては、特に夏場は注意が必要です。イエダニは高温多湿な環境を好むため、定期的に換気や寝具の天日干しをするなど、なるべくダニが住みづらい環境を整えましょう。
また、一般的に50℃以上の高温が20分以上続くとダニは死滅するので、ぬいぐるみやソファーなどは布団乾燥機やスチームアイロン等で定期的にダニ退治をしてもよいでしょう。
夏場に急なかゆみを感じたら、それはもしかするとイエダニの仕業かもしれません。ダニは非常に小さな体ではありますが、場合によっては感染症を媒介することもある厄介な生物です。もしイエダニが発生している場合はダニ退治と並行して、必ずネズミの駆除も行いましょう。
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■この記事のライター
吉田 秀樹
建装工業株式会社 MR業務推進部 統括部長
愛知県出身 職能能力開発総合大学校(当時:相模原市)卒業
マンション管理士・一級建築施工管理技士・マンション維持修繕技術者を有し、大規模修繕工事の営業に従事した経験者
※建装工業株式会社公式HPはこちら
(2024年3月25日新規掲載)
*本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。