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「年賀状じまい」どうする? 失礼なく伝える文例とマナー

年末が近づくと、「そろそろ年賀状をやめたいけれど、どう伝えれば失礼にならない?」と悩む方が増えています。高齢化やライフスタイルの変化を背景に、「年賀状じまい」という選択が広がりつつある今、これまでのご縁を大切にしながら、相手に配慮した伝え方を選ぶことが大切です。
この記事では、年賀状じまいの考え方や伝えるタイミング、年代別の文例、そしてその後のつながり方について、わかりやすくご紹介します。無理なく良好な人間関係を続けるヒントとして、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 年賀状じまいとは? 背景と広がる理由
2. 年賀状じまいのタイミングと伝えるときに気をつけたいポイント
3. 年賀状じまい 年代別の文例
4. 年賀状じまいは「つながりの終わり」ではない
年賀状じまいとは? 背景と広がる理由

「年賀状じまい」とは、これまで続けてきた年賀状の送付をやめること、そして、その意思を相手に伝える挨拶のことを指します。
近年では、高齢化やライフスタイルの変化、郵便料金の値上がりなどを背景に、年賀状じまいを選ぶ人が増えています。
かつて年賀状は、年の初めの大切な挨拶でした。しかし、デジタルツールの普及や人付き合いの多様化により、「無理に続けなくてもよい。」と考える人が増えてきました。
この流れは、個人だけでなく企業にも広がりつつあります。年賀状じまいは、単なる習慣の整理ではなく、これまでのご縁に感謝しながら、自分らしい人とのつながり方を見直す機会でもあります。
無理なく、心地よくつながることで、より自然で温かい関係を続ける選択肢になるかもしれません。
年賀状を出さないことに罪悪感を抱く方もいるかもしれませんが、年賀じまいはお互いの人間関係を断ち切るものではありません。むしろ、メールやSNSなどを通じて、より負担の少ない形でつながりを保つことができます。
また、年賀状を控えることで、慌ただしい年末にゆとりが生まれるというメリットもあります。
年賀状じまいのタイミングと伝えるときに気をつけたいポイント

年賀状じまいを伝える際は、相手との関係性や状況に応じたタイミングと、共感を得やすい丁寧な言葉選びが大切です。突然「やめます」と伝えるのではなく、自然で前向きな理由を添えることで、相手にも配慮した印象を与えることができます。
たとえば、「多忙になった」「年齢や体調の変化」「ライフスタイルの見直し」など、共感を得やすい理由を添えると、相手も納得しやすくなります。
伝え方としては、最後の年賀状に一言添える方法が一般的です。
「本年をもちまして年賀状でのご挨拶を控えさせていただきます」といった文を加えることで、穏やかに気持ちを伝えることができます。
また、事前にメールやSNSなどで伝える方法は、手軽で負担が少なく、その後の関係も続けやすい点がメリットです。親しい間柄であれば、電話や直接会った際に伝えることで、より丁寧な印象を与えることができます。
一方で、「何となく送らないでみる」という方法は、相手に不安を与える可能性もあるため注意が必要です。気がかりが残る場合は、はっきりと伝える方が、お互いに気持ちよく新年を迎えられます。
年賀状じまいを伝える際は、「すべての方に年賀状を控える予定であること」「お付き合いをやめるわけではなく、これからもつながりを大切にしていきたいという思い」を添えることで、相手に感謝の気持ちが伝わります。
年賀状じまい 年代別の文例

「今年で年賀状を最後にしたい」という気持ちを、相手に失礼なく伝えるためには、年代やライフステージに合った表現を選ぶことが大切です。ここでは、50代・60代・70代それぞれにふさわしい文例をご紹介します。自然で温かみのある言葉を添えることで、相手に感謝の気持ちが伝わり、良好な関係を保つことができます。
| ●50代向けの文例 |
|---|
「仕事や家庭に追われる日々が続き、年末のご挨拶をゆっくり綴る時間が少なくなってまいりました。本年をもちまして、すべての年賀状を一区切りとさせていただきます。これまでのご厚情に心より感謝申し上げます。」 「せわしない日々の中、年賀状でのご挨拶に心を込める余裕がなくなってまいりました。本年をもちまして、年賀状のご挨拶は控えさせていただきます。今後は、メールやSNSなど、別の形でご挨拶できればと思います。」 |
| ●60代向けの文例 |
|
「この春、長年勤めた職を退くこととなりました。人生の節目として、年賀状でのご挨拶も本年をもちまして控えさせていただきます。長きにわたり温かいお付き合いをありがとうございました。」 「還暦を迎えるにあたり、これまでのご縁に感謝しつつ、すべての年賀状のやりとりを一区切りとさせていただきます。今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。」 |
| ●70代向けの文例 |
|
「年齢を重ね、筆をとることが少々難しくなってまいりました。本年をもちまして年賀状でのご挨拶をすべて控えさせていただきます。これまでのご厚情に心より感謝申し上げます。」 「体力の衰えを感じるようになり、年賀状の準備が難しくなってまいりました。誠に勝手ながら、本年を最後にすべての方への年賀状を終えさせていただきます。皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。」 |
 
最近では、ハガキ印刷サービスでも「年賀状じまい」が選択できるほか、上記のような文を手軽に追加できるシールやスタンプなど便利なアイテムも市販されています。
また、SNSなどのデジタルツールを活用すれば、年賀状のような温かみのあるデザインを残しつつ、手軽に新年の挨拶を伝えることも可能です。ご自身の環境や事情に合った最適な方法を選ぶことで、より心地よい人間関係を築くことができます。
なお、年賀状じまいの挨拶を出す際に必要なハガキの宛名書きについても、住居表示制度が導入されている地域では、マンション名を省略しても郵便物が届く場合があります。
※住居表示制度:街区符号及び住居番号等を用いた合理的な住居表示を実施することを目的とする制度(引用:総務省)
例:
「ねうし市とら町1-2-3 たつみマンション201号」の場合、「ねうし市とら町1-2-3-201」のように書いても配達されます。
ただし、すべての自治体で導入されているわけではないため、事前に自治体の公式ホームページなどで確認しておくと安心です。
年賀状じまいは「つながりの終わり」ではない

年賀状じまいは、決して「つながりの終わり」ではありません。むしろ、これまでのご縁に感謝しながら、自分らしい形で人との関係性を続けていくための前向きな選択です。
たとえば、年賀状の代わりにメールやSNSで近況を伝えたり、季節や行事の折にメッセージを送ったりすることで、心の距離が近づくこともあります。形式にとらわれず、相手にも負担の少ない方法で気持ちを伝えることが、これからの時代の挨拶の形といえるでしょう。
大切なのは、つながりを大切にしたいという思いやりの気持ちです。年賀状は、あくまでも気持ちを表す手段のひとつ。無理をせず、自分に合った方法で人とつながることで、心に余裕が生まれ、穏やかな人間関係が続いていきます。
年賀状じまいは、単なる習慣の整理ではなく、これからの人間関係をより心地よくするためのきっかけです。SNSでの挨拶、季節のメッセージ、ちょっとした近況報告・・・・「誰と、どんなふうにつながっていたいか」そんな視点で、暮らしの中のコミュニケーションを見直してみると、新しい発見があるかもしれません。
あなたもこの機会に「人との繋がりのカタチ」を見直してみませんか?
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■この記事のライター
□熊谷皇(くまがいこう)
国立大学法人 鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境工学(温熱環境、省エネルギー)。国土交通省住宅の省エネ基準検討WG委員、日本産業規格JIS A 9521(2017)技術コンサル、建築環境省エネルギー機構(IBEC)・日本建築センター(BCJ)・職業能力開発総合大学校の講師を歴任。日本建築ドローン協会(JADA)WG委員。
(2025年12月8日新規掲載)
*本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。




















