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マンションに適した洗濯機の選び方とは? 省エネや静音性に注目!

マンションで使うための洗濯機選びには、スペースの確保や騒音への配慮など、戸建てとは異なるポイントがあります。深夜や早朝に洗濯する機会が多い方にとって、「静音性」は特に重要な要素です。今回は、マンションでの暮らしに最適な洗濯機を見つけるためのポイントをご紹介します。マンションで使用する洗濯機の選び方を家族構成も踏まえ、ドラム式と縦型それぞれの特徴までわかりやすく解説します。
目次
1. マンションで使う洗濯機を選ぶ際の基本情報
2. マンションで使用する洗濯機の選び方
3. マンションの設備条件や家族構成・ライフスタイルを考慮して最適な洗濯機を
マンションで使う洗濯機を選ぶ際の基本情報
マンションに設置する洗濯機の選び方を知る際は、まず洗濯機の基本的な情報を知ることが大事です。
<洗濯機のドラム式と縦型はどこが違うの?>
洗濯機はドラム式と縦型に大きく分けられますが、両者の主な違いは洗濯槽の向きと洗い方です。
●ドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機は洗濯槽が「横向き」に設置されており、「たたき洗い」と呼ばれる方法で洗濯します。
洗濯物がドラム内で持ち上げられ、落下する衝撃で汚れを落としています。
●縦型洗濯機
縦型洗濯機は洗濯槽が「縦向き」に設置されていて「もみ洗い」で洗濯します。
パルセーター(洗濯機の底にある回転羽根)の回転によって水をかくはんし、洗濯物同士がこすれ合うことで汚れを落とすのがこのタイプの特徴です。
<各種洗濯機の特徴>
それぞれの洗濯機には、異なる特徴があります。
●ドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機は少量の水で洗えるため、節水効果の高さが期待できます。
また、乾燥機能がすぐれていて省エネで衣類を傷めにくいというメリットもあります。
たたき洗いは洗濯物同士の摩擦が少なく、衣類に対するダメージを抑えられます。
●縦型洗濯機
縦型洗濯機は、もみ洗いで水量を多く使うため、泥汚れや皮脂汚れなど、ガンコな汚れに強いのが特徴です。
そのため、洗浄力を重視する方には縦型がおすすめです。
また、ドラム式に比べてスリムなモデルが多いため、設置スペースが限られているマンションに適しています。
●乾燥機付き洗濯機
乾燥機能付き洗濯機は主に「ヒートポンプ式」と「ヒーター式」の2種類に分けられます。
・ヒートポンプ式
ヒートポンプ式はドラム式洗濯機に多く採用されており、低温の温風で洗濯物を乾燥させます。
乾燥には時間がかかるものの、衣類が傷みにくく、ふんわりと仕上がります。
さらには消費電力が少ないため、省エネで電気代を抑えられるのも魅力です。
・ヒーター式
ヒーター式は縦型洗濯機に多い高温のヒーターで衣類を乾燥させるタイプです。
ヒーター式の多くはヒートポンプ式に比べて本体が安価なようです。
ただし、高温の温風で乾かすため、衣類が傷みやすく、シワになりやすい傾向があります。
マンションで使用する洗濯機の選び方

マンションで快適な洗濯ライフを送るためには、自身のライフスタイルや重視するポイント(静音性、サイズ、乾燥機能など)、マンションの設置条件などを考慮し、それらに合致した最適な一台を選ぶことが大事です。
以下に、洗濯機を選ぶ際のポイントをいくつかまとめました。
●静音性
マンションで使うための洗濯機を選ぶ際、静音性は重要な要素の一つとなります。
洗濯機の運転音や振動は、壁や床を通して隣の部屋や階段下に伝わりやすいため、近隣への配慮が求められます。
そのため、低振動・低騒音設計のモデルを選ぶことが重要です。
特に、夜間や早朝に洗濯する機会が多い方にはおすすめです。
洗濯機の購入に当たっては、メーカーが公開している運転音(デシベル:dB)の数値を確認し、音の静かなモデルを選びましょう。
●サイズと設置スペース
スペースが限られている場合、洗濯機のサイズと設置スペースの確認は欠かせません。
まずは、洗濯機置き場となる寸法(幅・奥行き・高さ)を正確に測りましょう。
その際、購入を検討している洗濯機がそのスペースに収まるか確認するだけでなく、洗濯機を設置するときの運び込みに必要な空間を確保することが重要です。
事前に搬入経路となる玄関や廊下、エレベーターや室内のドアの間口などを測り、スムーズに持ち運べるか確認しましょう。
●洗濯容量とタイプ
家族構成や洗濯の頻度によって、最適な洗濯容量は異なります。
例えば、一人暮らしなら5kg〜7kg程度、二人暮らしなら7kg〜9kg程度、三人以上のファミリー世帯であれば、10kg以上の大容量モデルが目安です。
また、洗濯機には前述のように縦型とドラム式の2種類あるため、洗濯物の種類や汚れのレベルに合わせて選びましょう。
縦型には洗浄力が高く、ガンコな汚れに強い傾向があります。
一方、ドラム式は節水性にすぐれ、衣類に対するダメージが少ないのが特徴です。
●乾燥機能の有無
マンションでは生活環境によって乾燥機能の有無も大事な要素となります。
中にはベランダに洗濯物を干せるだけの十分なスペースがなかったり、管理規約で外干しが禁止されたりしているマンションもあります。
そのような場合は乾燥機能付き洗濯機の検討をおすすめします。
他にも、ベランダに干すのは抵抗があるという方や、洗濯から乾燥までを一貫して済ませたい方、花粉やPM2.5などが気になる際も便利です。
●省エネ性能
長期的に使用する家電製品だからこそ、洗濯機は省エネ性能にも注目しましょう。
省エネ基準達成率の高いモデルを選ぶと、日々の電気代を節約できて、家計の負担を軽減できます。
家電製品に表示されている「統一省エネラベル」や、年間の目安となる消費電力量などを確認し、省エネタイプのモデルを選ぶようにしましょう。
マンションの設備条件や家族構成・ライフスタイルを考慮して最適な洗濯機を

最後に、マンションで洗濯機を設置する際のポイントを一通りまとめました。
マンションの設備条件 | 確認が必要です |
---|---|
設置スペース | ・洗濯機置き場の寸法(幅・奥行き・高さ)を測るだけではなく、搬入経路のスペースも確保する |
防水パンの有無とサイズ | ・防水パンは洗濯機の下に設置して水を受け止める皿状の設備のこと ・防水パンがある場合、そのサイズが洗濯機の脚部と合うかどうかを確認する |
給水栓・排水口の位置 | ・洗濯機の給水ホースや排水ホースが無理なく接続できるか確認する |
騒音・振動対策 | ・マンションでは洗濯機の運転音や振動が隣の部屋や階段下に響きやすい ・防振マットを併用して、騒音・振動対策を講じる |
湿気・換気 | ・乾燥機能付きの洗濯機を使用すると、室内に湿気がこもりやすくなる ・湿気がこもらないように、浴室乾燥機や換気扇を併用するなど、適切な換気を心がける |
家族構成・ライフスタイル | 確認が必要になります |
---|---|
洗濯容量 | ・一人暮らしなら5kg〜7kg程度 ・二人暮らしなら7kg〜9kg程度 ・三人以上のファミリー世帯であれば10kg以上 |
洗濯物の種類と汚れ具合 | ・泥汚れやガンコな汚れが多い場合(お子様がいる家庭など)は、洗浄力にすぐれた縦型洗濯機がおすすめ ・おしゃれ着やデリケートな衣類が多い場合は、衣類を傷めにくいドラム式洗濯機が適している |
乾燥機能の有無 | ・外干しが難しい・時間を節約したいなどの場合は、乾燥機能付きの洗濯機がおすすめ ・洗濯物を干すスペースが十分にある・電気代を抑えたい場合は、乾燥機能なしの機種を選ぶと本体価格を抑えられる |
洗濯頻度 | ・毎日少しずつ洗う場合は、コンパクトなモデルでも十分に対応可能 ・週末にまとめて洗うという場合は、大容量の洗濯機や乾燥機能付きのモデルが効率的 |
マンションで使用するための洗濯機を選ぶ際は、マンションの設備条件や家族構成・ライフスタイルに合ったものを選択することが重要です。
ぜひ、本記事でご紹介したポイントを踏まえ、自身に最適な一台を見つけて、より快適な毎日を送りましょう。
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■この記事のライター
□吉田 秀樹
建装工業株式会社 MR業務推進部 統括部長
愛知県出身 職能能力開発総合大学校(当時:相模原市)卒業
マンション管理士・一級建築施工管理技士・マンション維持修繕技術者を有し、大規模修繕工事の営業に従事した経験者
(2025年9月8日新規掲載)
*本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。