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建装工業 電子契約を始めました。

マンション 大規模修繕 電子契約

近年、IT・DX等の革新で、あらゆることが変革しています。管理組合と施工業者で締結する契約も変革しつつあります。電子契約のメリット等についてご説明致します。

こんな方におすすめ
●マンション大規模修繕工事で契約に興味のある方
●大規模修繕工事を準備されている方

目次
1. 大規模修繕工事の契約書
2. 大規模修繕工事の契約約款
3. 大規模修繕工事に必要な印紙
4. 電子契約
5. 最後に

1. 大規模修繕工事の契約書

マンションの大規模修繕工事は、建設業法第三章第19条の「建設工事の請負契約の内容」によって下記の16項目を記載することが義務付けられています。
マンションの大規模修繕工事の契約の際、施工業者は一般的に「民間(七会)連合協定 マンション修繕工事請負契約約款契約書関係書式のうちマンション修繕工事請負契約書」を用います。契約書には、本書の他に工事請負契約約款、設計図書類(質疑回答書、見積要項書、仕様書、工程表)等を添付して工事請負契約を締結致します。

【建設業法第三章第19条の建設工事の請負契約の内容】

  1. 工事内容
  2. 請負代金の額
  3. 工事着手の時期及び工事完成の時期
  4. 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
  5. 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
  6. 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
  7. 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
  8. 価格等(物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)第二条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
  9. 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
  10. 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
  11. 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
  12. 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
  13. 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
  14. 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
  15. 契約に関する紛争の解決方法
  16. その他国土交通省令で定める事項

2. 大規模修繕工事の契約約款

契約約款とは不特定多数の相手と取引するときに作成するもので、契約と同等の法的拘束力があるとされています。マンション修繕工事では、発注図書の内容や、監理の方法、完成部分の受け入れ方法等、一般的な新築工事と異なる部分があります。これらの実態を反映し、マンション修繕工事の請負契約を締結するに際し、「民間(七会)連合協定 マンション修繕工事請負契約約款」を使用することが一般的となっています。

3. 大規模修繕工事に必要な印紙

マンション 大規模修繕 電子契約

工事請負契約書は、発注者:管理組合、施工者:施工業者の双方が印紙を貼り印紙税を納めなければなりません。この印紙税の金額は、契約書に記載された取引額によって変動します。現状は下表の通りです。

【印紙税額一覧表】

建設工事の請負に係る契約のうち、2024年3月31日までに作成されるものについては、記載された契約金額に応じ、右欄のとおり印紙税額が軽減されています。

記載された契約金額 印紙税額
1万円以上100万円以下のもの 200円
100万円を超え、200万円以下 400円 → 200円
200万円を超え、300万円以下 1000円 → 500円
300万円を超え、500万円以下 2000円 → 1000円
500万円を超え、1千万円以下 1万円 → 5000円
1千万円を超え、5千万円以下 2万円 → 1万円
5千万円を超え、1億円以下 6万円 → 3万円
1億円を超え、5億円以下 10万円 → 6万円
5億円を超え、10億円以下 20万円 → 16万円
10億円を超え、50億円以下 40万円 → 32万円
50億円を超えるもの 60万円 → 48万円

4. 電子契約

マンション 大規模修繕 電子契約

契約には様々な契約類型が存在します。大多数の契約が電子契約できますが、一部利用が制限されているものもあります。今回ご紹介する、大規模修繕工事の契約書は電子契約可能となっています。

書面で契約を締結する場合は、前述致しました収入印紙の貼付が必要になります。 これに対して、書面ではなく電子契約の方式で締結する場合、収入印紙の貼付は一切不要になります。 電子契約に収入印紙の貼付が不要なのは、電子契約の締結・送信が、印紙税法上の課税文書の「作成」に該当しないと解されているためです。この点が最大のメリットになります。また、他のメリットとして紙から電子化:ペーパーレスになりSDGs的に地球にやさしい契約とも言えます。
デメリットとしては、契約者双方にメール等が必要になります。

5. 最後に

建装工業は、2023年4月より、管理組合との契約に際し、日本で一番使用されている・弁護士による法律監修の元で運営する電子契約サービス「クラウドサイン」を導入致しました。少しでも、管理組合の費用ご負担軽減につながればと考えています。

■あわせてお読みください。
・マンション管理会社はどう選ぶ? その見きわめポイントは?
・大規模修繕工事の現場代理人って、何をする人?
・マンション管理の3つの形態とは? それぞれのメリットとデメリットについて


■この記事のライター
吉田 秀樹
建装工業株式会社 MR業務推進部 統括部長
愛知県出身 職能能力開発総合大学校(当時:相模原市)卒業
マンション管理士・一級建築施工管理技士・マンション維持修繕技術者を有し、大規模修繕工事の営業に従事した経験者
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2023年4月17日新規掲載)
*本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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