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毎日の有酸素運動:最適な時間と頻度、その答えは? 

有酸素運動

近頃は、デスクワークやテレビ鑑賞、読書など、長時間座りっぱなしなることが増えて、しばらく体を動かしていないということはありませんか? 健康を維持するためには運動は必要不可欠ですが、適度な運動とはどの程度の運動なのでしょうか。

適度な運動を行うためには、正しい知識を持つことが重要です。今回は有酸素運動や筋力トレーニングの適度な時間や頻度、さらに無理なく続けるためのポイントなどを紹介します。

目次
1. 健康のために行う運動は毎日必要? 無理なく取り入れるためのちょっとした工夫
2. 有酸素運動と筋力トレーニングの過剰な実施は避けよう! 筋肉も休息が必要
3. 有酸素運動を続けるためのヒント:人とのつながりが楽しさをもたらす

健康のために行う運動は毎日必要? 無理なく取り入れるためのちょっとした工夫

有酸素運動

厚生労働省は健康づくりのための指針「アクティブガイド」で「+10(プラステン):今より10分多く体を動かそう」というメッセージを提唱しています。日常的な身体活動にわずか10分の運動を加えることで、健康寿命を延ばす取り組みです。

「+10」で定義されている「日常的な身体活動」とは、私たちが生活上、日常的に行っている活動のことです。以下に例を挙げます。

・通勤
・買い物
・犬の散歩
・床掃除
・階段昇降
・庭の手入れ

この日常的な身体活動に加えて、歩幅を広げたり、駅で階段を使ったり、ウィンドウショッピングを楽しむなどで、身体を動かす行動を10分間プラスすることが「+10」です。
この「+10」の目標は、18〜64歳は1日に60分、65歳以上の人は1日に40分が推奨されています。ただし、高齢者や通院中の方は、医師に相談し、体調に合わせて行動する必要があります。

さらに、週に2日以上、運動強度が3メッツ程度の運動を30分続けることが厚生労働省により推奨されています。
「メッツ」とは、安静時の代謝を1とした場合の活動の強度を表す指標で、3メッツの活動には「歩く」「掃除機をかける」「犬の散歩」「雑巾がけ」といった活動が該当します。

適度な運動は、肥満度を表すBMIに応じて異なるため、自分のBMIを知ることも大切です。

・BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)

BMI 運動の種類 おすすめの運動内容
低体重(やせ)
(18.5未満)
レジスタンス運動(筋トレ) スクワットやダンベルなどを使っての筋トレ
普通体重
(18.5以上25未満)
レジスタンス運動・有酸素運動 どちらも可 バランス良く行うと効果的
肥満
(25以上)
有酸素運動 ウォーキングやバランスボールやヨガ

※(日本肥満学会基準)

「+10」を行うと、病気や死亡リスクが減少する効果も報告されています。以下に具体例を示します。

・死亡リスク 2.8%減
・生活習慣病発症 3.6%減
・がん発症 3.2%減
・ロコモティブシンドローム※
・認知症発症 8.8%減

※ロコモティブシンドローム:運動器症候群とも呼ばれ、筋肉や骨、関節など運動器に障害が起き、日常生活に障害がある状態を指します。

有酸素運動と筋力トレーニングの過剰な実施は避けよう! 筋肉も休息が必要

有酸素運動

有酸素運動を過度に行うと、タンパク質の分解が進み、基礎代謝に寄与する筋肉量が減少し、痩せにくくなる可能性があることをご存じでしょうか。
筋トレを毎日行っても、思ったほどの効果が得られない場合があるのです。したがって、自分の体に最適な運動量を知ることが大切です。

運動を日常的に行っていない人は、筋肉の回復に2倍の時間を要することから、週1〜2回の筋トレが効果的とされています。

有酸素運動

例えば週に1〜2日、1日8000歩以上歩く人は、10年後の死亡リスクが14.9%低下するという報告があります。週末に近所を散歩するか、新しいカフェまで足を延ばすなどの活動がおすすめです。

筋トレの場合、適度な時間は、週30〜60分とされています。ただし、週130〜140分を超えると、筋トレがむしろ死亡やがんのリスクを高めることが報告されており、過度な筋トレは逆効果になることもあるので注意が必要です。自分の体に最適な時間を知ることはとても大切なことです。

また、マンションで筋トレをする場合は、近隣の迷惑にならないよう時間帯に気を付け、床に防音マットを敷くなど配慮が必要です。

※有酸素運動については下記記事も参照ください
マンションでも運動したい! 音を立てずに自宅でできる有酸素運動(改定版)

有酸素運動を続けるためのヒント:人とのつながりが楽しさをもたらす

有酸素運動

運動が健康寿命に良い影響を与えることは認識している人も多いかと思いますが、運動を継続することが難しいと感じている人もいるかもしれません。運動を継続するためのコツは、自分の体力に合せた無理のない範囲で取り組み、達成感を共有しながら楽しむことです。

【続けるための4つのステップ】
気づく:自分の普段の行動を振り返り、日常生活で体を動かす機会を認識しましょう。
始める:確認した行動を基に、日常生活に「+10」を取り入れましょう。
達成する:年齢に応じた適切な運動時間の目標を設定し、達成を目指しましょう。
つながる:家族や友人、マンションのサークル活動、SNSなどを通じて、多くの人と「+10」を共有し、楽しく運動を続けましょう。

※参考:アクティブガイド(厚生労働省)

家族や友人と共に目標を達成し、その喜びを共有したり、運動メモアプリやスマートデバイスのコミュニティを活用することで、喜びや楽しさを一層味わうことができます。一人ではなく、周りの人々と一緒に健康な体づくりを目指しましょう。

「毎日の身体活動に+10」と「週に2日以上の運動」を実践することで、健康寿命を延ばすことができます。ただし、過度な運動は逆効果になるため、適切な運動量を心がけましょう。家族や友人と楽しみながら一緒に取り組むことで、持続可能な運動習慣を築くことができます。

■あわせてお読みください。
・マンションでも運動したい! 音を立てずに自宅でできる有酸素運動(改定版)
・現代病のスマホ首にならないために。 現代人のためのストレートネック予防ストレッチ
・在宅勤務に適したイスの選び方 〜快適で作業効率が高まるイスとは?〜


■この記事のライター
熊谷 皇
国立大学法人 鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境工学(温熱環境、省エネ等)。国土交通省 住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構(IBEC)・日本建築センター(BCJ)・職業能力開発総合大学校等の講習会講師、日本建築ドローン協会(JADA)のWG等の委員を歴任。

(2024年1月29日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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