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在宅勤務に適したイスの選び方 〜快適で作業効率が高まるイスとは?〜

在宅勤務

新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの企業がテレワークを導入し、在宅勤務をする人が増えました。しかし、折角、在宅勤務をしたのに「仕事が全然はかどらない」、「なんとなく疲れやすい」といった経験はないでしょうか? もしかしたら、その原因はイスにあるかもしれません。今回は、快適で作業効率が高まる、在宅勤務に適したイスの選ぶためのヒントをご紹介します。

目次
1. 在宅勤務におすすめのイスは?
2. オフィスチェアって、どんなイス?
3. 安全で快適なオフィスチェア選びと使い方のヒント
4. 家でオフィスチェアを使うなら、ここに注意

1. 在宅勤務におすすめのイスは?

在宅勤務

在宅勤務では長時間座って作業をすることになるため、快適で疲れにくく、作業効率が高まるイスを選びたいものです。

イスには様々な種類がありますが、例えば折りたたみイスや、積み重ねて収納できるスタッキングチェアは、持ち運びや収納のしやすさを重視した設計のため、座面も背面も硬く長時間座ることには向いていません。
また、ソファーはリラックスや休憩が目的のため、パソコン作業などを使用する際には腰に負担がかかりやすく、作業のための姿勢もとりづらいため、デスクワークにはあまり適しません。

一方、長時間のデスクワークを目的に設計されているのがオフィスチェアです。オフィスと同様に自宅でも長い時間デスクワークをするなら、身体の向きを自由に変えられるイスを使う方が疲れにくく効率も上がります。そのようなことから、最近は在宅勤務用にオフィスチェアを買い求める人が増えているようです。

2. オフィスチェアって、どんなイス?

オフィスチェアとは、事務用イスとも呼ばれます。まず、一般的なイスを構成する主なパーツは以下のとおりです。

<一般的なイスを構成する主なパーツ>
・座(座面)
・背(背もたれ)
・肘(肘かけ)
・脚部

座(座面)と背(背もたれ)・肘(肘かけ)は、直接人体に接する部分です。脚部がそれらを支えることで床からの高さを保ちます。

オフィスチェアは、一般的なイスに次の機能が付加されます。

<オフィスチェアで付加される機能>
・座面を回転することができる機能(回転機能)
・座面の高さを変えられる機能(昇降機能)
・背もたれを前後に動かせる機能(ロッキング機能)
・座ったまま体の向きを変えたり、移動できたりする機能(回転・移動機能)

オフィスチェアは、上記の機能により、「電話に出る」、「デスクの中のものを取り出す」など、デスクワークにともなう様々な動作がしやすくなっています。

また、長時間着座しても疲れにくいといった機能もオフィスチェアに要求される重要な要素といえます。その為、オフィスチェアは、背中の曲線にフィットして腰への負担を少なくするデザインが主流です。

3. 安全で快適なオフィスチェア選びと使い方のヒント

オフィスチェアで重要になるのが安全性と耐久性です。オフィス家具は、JIS(日本産業規格)で安全性などの基準が定められており、購入にあたっては、こうした規格を保有していると安心して購入することができます。また、万が一のためにPL保険(生産物賠償責任保険)の対象となっている製品かどうかも確認することをおすすめします。

快適にデスクワークをするには、イスと机の高さが体に適していることが重要です。それぞれの高さの目安は次の計算式で求めることができます。

<イスの座面と机の高さの求め方>
・イスの座面の高さ = 身長×0.25
・机の高さ = イスの座面の高さ +(身長×1/6)

一般的なオフィスチェアは座面の高さを変えることができます。実際に使用するときは、上記の計算式から算出された高さを参考にして、自分の好みの高さに調節しましょう。

快適に仕事をするには、オフィスチェアに座るときの姿勢も大切です。正しい姿勢については、以下を参考にしてください。

<快適に仕事をするためのオフィスチェアに座るときの姿勢>
・座面の奥深くまで腰かける
・骨盤の上部を背もたれにしっかりとつける
・かかとは床につける
・太ももの上部は床と水平、ひざ下は床と垂直になるように座る

日本オフィス家具協会(JOIFA)では、オフィスチェア(回転椅子)を安全に使用できる標準使用期間を8年(※)に設定していますが、実際の寿命は使用の状況により異なります。使用中のオフィスチェアに以下のような症状が見られたら、そのまま使い続けると破損によりケガや事故を招く恐れがあるので、修理や買い替えを検討しましょう。

※JOIFA標準使用期間と表示ルールについて
https://www.joifa.or.jp/pdf/hyoujirule.pdf

《修理・買い替え検討の目安》
・座面・背もたれのクッションのへたり
・肘かけのグラつき、ガタつき
・座面・ロッキング機能のガタつき、異音
・脚部の昇降機能の動作不良やグラつき、またその部分からのオイル漏れ
・キャスターのガタつき、破損

4. 家でオフィスチェアを使うときの注意事項

在宅勤務

家でオフィスチェアを使うときの注意事項について、以下に紹介します。

・オフィスチェアのキャスターの材質は、カーペットなどやわらかい床材向けのナイロン・ハードウレタン系とフローリングなどの固い床材向けのソフトウレタン・ゴム系の2種類があります。オフィスチェアの多くはオプションでキャスターを選択することができますので、床材にあったキャスターを選びましょう。

・マンションでは、階下にキャスターのゴロゴロ音が伝わるのを防ぐために、オフィスチェアの下にチェアマットを敷くのをおすすめします。チェアマットはポリカーボネートやEVA樹脂など、様々な材質のものがあります。チェアマットは、キャスターによる床へのキズつきや色移りを防ぐ効果もあります。

今回は、在宅勤務をより快適でより作業効率が高くするための、イスの選び方について紹介しました。
ぜひ自分に合ったオフィスチェアを検討してみてください。

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■この記事のライター
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2021年11月1日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合がありますので予めご了承下さい。

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