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のぞいてみよう!工事現場紹介 〜江戸川台小田急ハイツ大規模修繕工事〜

マンション 大規模修繕

江戸川台小田急ハイツの施工中外観

現在、建装工業が施工中のマンションの工事現場を取材するシリーズです。今回は、千葉県流山市にある、3回目の大規模修繕工事で、外壁塗装の全面剥離を行うマンションの現場を取材しました。

こんな方におすすめ
● これから第3回目の大規模修繕工事を計画するマンションにお住まいの方
● これから大規模修繕工事で外壁塗装の全面剥離を計画するマンションにお住まいの方
● これからマンションリニューアル関係の企業で働きたい方

目次
1. 工事現場の概要
2. はじめに自己紹介をお願いします
3. 今回の工事現場の特徴を教えてください
4. 今回の工事現場で工夫していることを教えてください
5. 今回の工事現場で苦労していることを教えてください
6. 竣工への意気込みをお聞かせください
7. 最後に

工事現場の概要

工事名称 江戸川台小田急ハイツ大規模修繕工事
建物規模 RC造 3、4、5階建て 20棟 住戸543戸
建物所在地 千葉県流山市 江戸川台駅から徒歩13分程度
建物竣工年 1974年・1975年 (経年47〜48年)
※2022年現在
工事期間 1期工事 2021年12月1日〜2022年6月30日
2期工事 2022年7月1日〜2023年1月31日
工事内容 塗膜剥離、躯体補修工事、外壁・鉄部塗装工事、防水工事等
取材日 2022年10月13日
話を聞いた人 佐藤さん(現場所長)

はじめに自己紹介をお願いします。

今回の工事で現場所長を務めています佐藤です。私の工事現場生活は、建装工業のマンション修繕現場からスタートし、現在27年目になり、今回で担当した修繕工事現場は49件目になります。過去の詳細実績と致しましては、多棟及び団地型は19件、2回目以上の修繕工事は9件となりました。今回行う外壁塗装の全面剥離は、過去に1件経験しています。
私のモットーは、工事現場の職員・作業員をコミュニケーション良く一体化させ、安全・品質に関し、お客様にご納得頂ける工事をご提供することです。

過去の受賞履歴は、第11回クリエイティブリフォーム賞、茨城県つくばみらい市の『センチュリーつくばみらい平』を今回の現場スタッフで受賞致しました。

マンション 大規模修繕

江戸川台小田急ハイツの現場スタッフのみなさん
(中央が現場所長の佐藤さん)

今回の工事現場の特徴を教えてください。

江戸川台小田急ハイツ大規模修繕工事は、20棟ある建物で、築47年の建物になります。1期工事:8棟は8月末に完了して、現在2期工事:12棟の施工を行っています。建物の形状はいわゆる公団タイプで、各戸の間取りが広いことが特徴です。お住まいの方は、新築時からご入居されている方が多く、ご高齢の方が多くいらっしゃいます。
既存の塗装膜の付着力が低下していたので、今回の工事で外壁塗装の全面剥離となりました。また、管理組合様より「契約金額から増額にならない」ご希望を頂きました。

今回の工事現場で工夫していることを教えてください。

契約の塗膜剥離の仕様では30MPaの超高圧洗浄・ウォータージェットでの外壁塗装の全面剥離となっていましたが、施工前の試験施工で塗膜剥離が不十分になることが判明致しました。試験施工で水圧を高め50MPaにしなければ、完全に塗膜剥離が出来ないことが分かりました。しかし、圧力を高めた50MPaでは、躯体の損傷が激しくなること・汚泥及び汚水の処理等が必要になり環境に良くないことから、超音波塗膜剥離装置を利用し一部カップ付きサンダーにて塗膜剥離を行いました。施工単価は契約より上昇するのが一般的ですが、今回は様々な工夫により、据え置きで実施することができました。外壁塗装の全面剥離をした躯体に直接躯体補修を行うわけですが、管理組合様にご覧頂き、ご確認を頂きながら躯体補修をしっかり行いました。

マンション 大規模修繕

管理組合様の外壁塗装の全面剥離を行った後の躯体確認検査

また、全体工事金額がアップしない様に配慮致しました。現在の塗装膜を入念に調査した結果、階段室の外壁の状態は良いのですが、軒天井の躯体の状況が良くなかったので、階段室の外壁塗膜剥離を止めて、バルコニー軒天井の躯体補修費用増大分に充当するご提案を致しました。下地補修の図落しは、従来の手書きから電子化を行い、劣化数量管理を円滑に行うことが出来、管理組合様に迅速に報告することが出来ました。軒天井の躯体補修を入念に行うことにより、躯体損傷の現状復旧が出来て良かったと思っています。

多棟型のマンションでは、お知らせのチラシが多くなりますので、掲示及び投函を忘れない様に日々管理しています。各棟の工程・品質のバランスが均一になる様、信頼できる職方を配置し、遅れても応援部隊を投じない様に、何とか工夫しています。社内検査は全棟品質を均一にするため、現場スタッフ全員で行っています。

今回の工事現場で苦労していることを教えてください。

正直、苦労していると思っていることはありません。現場スタッフの中心となるメンバーは、過去連続4現場一緒に行っているので、心が通じ合い以心伝心で仕事が出来ているからです。

苦労している点を強いて言うなら、外壁塗装の全面剥離の工程・品質管理です。全体で20棟あり、塗膜剥離工の職方は全棟で2000人強となりました。塗膜剥離は、超音波装置の刃先を高振幅W=40を選定し、慣れた作業員が行わなければ、日々の作業継続ができないので、段取り・配置等苦慮しました。また、玄関扉を交換したばかりなので、傷をつけない様な養生及び周辺の施工にも苦労しました。

中性化抑制の為、通常より塗り回数が2工程[セメントフィラー(中性化防止)+シーラー(接着剤)]多く、塗装の膜厚管理をしっかり行わなければなりません。この点は、塗装材料管理に留意しながら進めました。

管理棟を流山市の補助金を利用して修繕工事を行っていますので、申請に写真・書類等の不備が無い様に管理を行わなければなりません。

竣工への意気込みをお聞かせください。

1期工事:8棟は2022年8月末に完了して、現在2期工事:12棟は2023年1月末日までとなっていますが、年内完成を目指しています。
全棟の塗装剥離工事が終わり、音でご迷惑をお掛けする事が少なくなりホッとしています。工事完了まで、無事故でお引き渡しをしたいです。

今回の修繕工事で、外壁塗装剥離を行い、躯体補修を入念に行いました。また、カラーシミュレーションを行い色も変更しましたので、本マンションの資産価値が上がり、団地全体がより活気が出ると期待しています。

マンション 大規模修繕

カラーシミュレーションによる色変更案

最後に(ライターより)

今回は、3回目の大規模修繕工事で全面塗膜剥離の現場を取材させて頂きました。今後、日本全体で高経年マンションの割合が多くなりますので、大規模修繕工事にも塗膜剥離が必要になる案件が多くなると思います。建装工業は、環境に優しく、なおかつ建物の寿命を延ばし、社会に貢献出る様頑張らなければならないと感じました。

マンション 大規模修繕

取材に応対する佐藤さん(左側)


■この記事のライター
吉田 秀樹
建装工業株式会社 MR業務推進部 統括部長
愛知県出身 職能能力開発総合大学校(当時:相模原市)卒業
マンション管理士・一級建築施工管理技士・マンション維持修繕技術者を有し、大規模修繕工事の営業に従事した経験者
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2022年12月19日新規掲載)
*本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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