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塩より熱湯? ベランダのナメクジ駆除と予防方法

ナメクジ

梅雨の時期に、マンションのベランダなどにいつの間にか発生してしまうナメクジ。
育てている植物を食い荒らしたり、寄生虫を保有したりしている可能性もあるため、すみやかに駆除したいものです。

今回は、ナメクジの生態や見つけた際の注意点、駆除する方法や発生させないための予防策などをご紹介します。

目次
1.知っておきたい、ナメクジの生態
2.実際にナメクジを駆除する方法は?
3.ナメクジを発生させないための予防策

1.知っておきたい、ナメクジの生態

ナメクジ

ナメクジと相対する前に、まずはその生態について知っておきましょう。

日本にいるナメクジで多いのは、在来種のナメクジ科と、外来種で身体の中ほどに継ぎ目があるチャコウラナメクジの2種類です。
どちらも体長は50mm〜80mmほどで、体の約90%が水分で構成されている軟体動物なため、乾燥を防ぐために常に体の表面から粘液を出しています。
また、ナメクジは夜行性で、湿度の高い環境を好みます。
ナメクジとカタツムリはどちらも陸貝(りくがい)※と呼ばれていますが、殻を持たない方向に進化したのがナメクジです。
※陸生の貝類。 陸産貝とも言われる。

ナメクジの寿命は約2〜3年で、一年を通して見られますが、主に4〜6月、9〜10月に多く発生します。
また、ナメクジは雌雄同体で、多くの場合は2匹で交尾をし、両方のナメクジが卵を産んで繁殖するため、繁殖力が強いのも特徴です。
単体でも繁殖することができるので1匹でも見つけたらすぐに駆除することが大切です。

ナメクジを早急に駆除したほうが良いもうひとつの理由は、植物が荒らされてしまうことに加え、寄生虫を持っている可能性があることです。
広東住血線虫症などの危険な病気に感染する可能性があるため、ナメクジそのものや、ナメクジが這ったあとの粘液に触ってしまった場合は、できるだけ早く、しっかり手を洗うようにしましょう。
また、レタスやキャベツなどを生食する際は、紛れ込んでいるナメクジを誤食しないように、よく洗ってから食べるようにしましょう。

2.実際にナメクジを駆除する方法は?

ナメクジ

それでは、実際にナメクジを駆除する方法をご紹介します。

(1)塩をかける
ナメクジを駆除する方法としてよく耳にするのが、塩をかけるという方法。
ナメクジの身体は約90%が水分でできているので、塩をかけることでナメクジの水分を奪い、体を小さくすることができます。
しばらくその状態を続ければ駆除が可能ですが、水分を加えると復活する可能性があるので放置せずに拭き取るなどして処分しましょう。
また、塩は植物を弱らせる原因になるので、使用する場所にも気を配りましょう。

(2)熱湯をかける
ナメクジの駆除方法で即効性があり、簡単かつ確実なのが熱湯をかける方法です。
熱湯をかけるとナメクジ体内のたんぱく質が固まり、瞬時に死に至ります。

注意点は、はねたお湯などでやけどをしないように気を付けること、植物などに熱湯がかからないようにすることです。

(3)ビール・バナナの皮でおびき出す
ナメクジはビールやお酒に含まれる酵母の匂いに寄ってくる性質があります。
コップなどの容器にビール(発泡酒は効果が低め)やお酒を入れ、ナメクジが発生する場所の近くに設置しておきましょう。
バナナなど果物の皮でも同様にナメクジをおびき出すことが可能です。
ナメクジは夜行性なので、夕方に設置しておけば朝には捕集されていることでしょう。
容器の中に(4)で紹介する市販の殺虫剤・駆除剤を混ぜることで、ナメクジが逃げるのを防ぐことができます。
この方法は、容器に、多くのナメクジや他の虫たちが集るので見た目に気持ち良いものではなく、その後の処理も人によっては精神的な負担を伴う可能性があるのが難点です。

(4)市販の専用殺虫剤・駆除剤を使う
ナメクジの駆除には専用の殺虫剤・駆除剤が市販されていますので、それを利用する手もあります。
スプレー、顆粒、吸引、液体などさまざまなタイプが発売されていますので、自宅の状況にあった製品を選びましょう。
ただし、なかにはペットや小さなお子様に害を及ぼす可能性がある成分を含んだ製品もあるため、取り扱い注意書をよく読むことをおすすめします。

3.ナメクジを発生させないための予防策

ナメクジ

ナメクジを何度も駆除するのは精神的にきついので、できれば発生する前に予防しておきたいものです。
ここではナメクジの発生予防策について紹介します。

・雑草を抜いて湿気をためない
ナメクジは湿気がある場所を好むため、ベランダでガーデニングや家庭菜園をしている場合は、雑草をこまめに抜いて、湿気がたまらないようにしましょう。

・コーヒーかすを撒く
ナメクジはカフェインが苦手なため、コーヒーを利用するのも有効です。
ドリップ式のコーヒーを淹れたあとの「コーヒーかす」を、プランターや植木鉢の周囲に撒き、土にも軽く混ぜることで、ナメクジの発生を防ぐことができます。
インスタントコーヒーを水で薄めて、霧吹きで噴霧しても効果が期待できます。

・木酢液を撒く
実際の農作業で害虫防除・土壌改良・植物活性化などに活用されている、木酢液を使用する方法もあります。
原液をそのまま使用すると植物を痛める可能性があるので、500倍ほどに薄めて、霧吹きで噴霧しましょう。
木酢液はホームセンターやドラッグストアなどで購入が可能です。

今回はベランダのやっかいな害虫、ナメクジの生態や駆除方法・予防策についてご紹介しました。
ナメクジは放置しておくと、どんどん繁殖し、ベランダの植物を食い荒らしてしまいます。
もし発見したら今回の記事を参考にして、できるだけ早く駆除し、発生する前の予防策も行いましょう。

■あわせてお読みください。
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・ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意


《この記事のライター》
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。

(2021年6月14日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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