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ポインセチアの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜

マンション ガーデニング

ベランダでも楽しめるお花と、その育て方を紹介していくシリーズです。今回は、クリスマスの花「ポインセチア」をご紹介します。ポインセチアの花言葉や育て方のポイントなど、初心者にも分かりやすく解説していきます。

☆マンションでベランダガーデニングをするときの注意点
・マンションのベランダはあくまで「共用部」であることを忘れずに!
・大規模修繕工事の際はすべてを撤去する必要があるため、片付けが嫌な方は小規模なものにとどめておきましょう。
※詳しくは下記の記事も参照
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意

目次
1. ポインセチアとは
2. ポインセチアの花言葉・その他
3. ポインセチアの育て方

ポインセチアとは

クリスマスの頃になると、赤やピンクのかわいい鉢植えが出回るポインセチア。まるで造花のように色鮮やかですが、れっきとした樹木です。初代メキシコ駐米大使のポインセット氏が、欧米で広く紹介したことから「ポインセチア」と名付けられました。

・特徴
ポインセチアはトウダイグサ科トウダイグサ属の常緑低木。自生地では樹高3mにも生長する樹木です。クリスマスにその姿を見ることが多いので、寒い国のイメージを持つ方も多いと思いますが、実は日差しの強いメキシコや中南米が原産です。ですから寒いのは苦手で、冬の間は室内管理が必須です。葉が赤く色付くのは、秋〜冬で、春〜夏の育成期は緑色をしています。

・開花時期
ポインセチアの開花時期は、12月〜2月頃で、ちょうどクリスマスの時期にあたります。赤やピンクに華やかに色付いているのは、葉っぱの一部である苞葉(ほうよう)で、花ではありません。苞葉の付け根のグリーンやイエローの粒々としたものがつぼみとなります。

・植え付け
ポインセチアの植え付け時期は、3月〜5月頃が適期です。寒さに弱いため、日本国内では沖縄以外で地植えはできません。鉢植えにして冬は室内で栽培し、最低気温が15℃以上になったら屋外で育てます。購入2年目以降は5月になったら剪定をして、そのあとに植え替えるとよいでしょう。

●クリスマスの花といえばポインセチア!?

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メキシコ原産のポインセチアが、なぜ「クリスマスの花」となったのでしょうか。時は17世紀、メキシコに移り住んだ宣教師たちが真っ赤に色付くポインセチアを見て「聖なるキリストの血」を彷彿としたことから、降誕祭の飾りとして使用したのがはじまりといわれています。元々、原住民から純潔な「星の花」と呼ばれていたこともあり「キリストの誕生祭にふさわしい」としてクリスマスに飾りはじめたといいます。

ポインセチアの花言葉・その他

ポインセチア全般の花言葉は「私の心は燃えている」「祝福」「幸運を祈る」などです。ピンク色は「思いやり」や「清純」、白は「慕われる人」「あなたの祝福を祈る」など、色別の意味もあります。どのカラーでもよい意味しかないので、プレゼントにもピッタリです。

ポインセチアの育て方

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ポインセチアは、葉が色付かなかったり葉が枯れて落ちてしまったり、育てるのがやや難しいとされています。熱帯原産で寒さに弱いのは前述したとおりですが、他にどのような点に注意して育てたらよいのでしょうか。こちらで詳しく見てみましょう。

・適している環境
ポインセチアは日差しの強いメキシコが故郷。日光を好む植物なので、春〜秋は屋外の日当たりの良い場所で育てましょう。ポインセチアに適した気温は20℃〜25℃です。冬は最低でも10℃は欲しいので、10月中旬には室内に取り込むようにしましょう。

・室内での育て方
冬、室内に取り込んだら、なるべく日光の当たる明るい場所で育てます。気温が10℃を下回らないように気を付けてください。日中はよく日が当たる窓辺がベストですが、夜間に気温が下がると窓から冷気が入り、一晩で傷んで枯れてしまうことも…。夜は窓から離れた部屋の中央などに移動すると安心です。また、エアコンの風やヒーターの熱風に当たると、葉先が黒く枯れ込むことがあるので注意してください。

・水やり
乾燥気味を好みます。水やりは土の表面が白っぽく乾いて、更に3日ほど経ってから与えましょう。ただし、乾燥しすぎもよくありません。植え替えの時に、赤玉土に腐葉土とピートモスなどをまぜて「水はけ」と「水持ち」両方叶える用土で植え付ければ、水管理がしやすくなります。市販の草花の培養土を利用すれば手間がなく便利です。

・肥料
購入してすぐのポインセチアは生産農家でしっかり肥培されているので、すぐ肥料をやる必要はありません。翌年5月〜7月になったら、草花用の緩効性固形肥料を月に1回程度施します。頻度は肥料にもよるので、パッケージに書いてある用法を守って正しく使ってください。また、2週間に1回ほど、液体肥料を与えるのも効果的です。11月〜2月は休眠期なので、春になるまで肥料はストップしてください。

・育て方のポイント
ポインセチアで特筆すべきは「短日植物」であることです。日が短くなり、夜が長くなるとスイッチが入り、花芽ができて葉が紅葉します。このスイッチがうまく入らないとせっかく育てていても葉っぱが緑のままで、クリスマスらしい赤色になってくれません。冬以外は屋外でしっかり日光に当て、夜間は室内の照明など人工の光が直接当たらない暗所で育てるのが成功のポイントとなります。

・病害虫対策
ポインセチアでよくみられる病気は、灰色カビ病、炭疽病、斑点病、疫病などです。害虫は、ルイスアケハダニ、オンシツコナジラミ、アブラムシ、カイガラムシの被害に遭うことがあります。日頃から注意深く観察して早期発見し、早めの薬剤散布を心掛けましょう。

●ポインセチアのベランダガーデニングにチャレンジ!
育て方の注意点として、冬季は10℃以上の室内管理が必須です。また、短日植物なので春〜秋は昼間しっかり日光に当て、夜は暗所に移動しないと葉が色付かないかもしれないという難点もありました。
これらに留意すれば育て方自体は簡単な植物です。ポインセチアを部屋に飾り、すてきなクリスマスを楽しんだあとは、ベランダガーデニングにチャレンジしてみましょう。

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■この記事のライター
熊谷 皇
国立大学法人 鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境工学(温熱環境、省エネ等)。国土交通省 住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構(IBEC)・日本建築センター(BCJ)・職業能力開発総合大学校等の講習会講師、日本建築ドローン協会(JADA)のWG等の委員を歴任。

(2023年12月11日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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