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ヴィンテージマンションって何? その人気の理由と注意しておきたいポイント

ヴィンテージマンション

マンションの中には、築年数が経っているにも関わらず、資産価値があまり落ちず、むしろ人気を集めている「ヴィンテージマンション」と呼ばれる物件が存在します。
今回は、そんなヴィンテージマンションの魅力や人気の理由、ヴィンテージインテリアのコツなどをご紹介いたします。

目次
1. ヴィンテージマンションとは
2. ヴィンテージマンション購入時に注意すること
3. ヴィンテージインテリアの空間づくり

1.ヴィンテージマンションとは

ヴィンテージマンション

ヴィンテージマンションには特に決まった定義はありませんが、不動産調査会社の東京カンテイによれば、「築10年以上」「住居用途地域に立地」「平均専有面積90平方メートル以上」「坪300万円以上」とされています。

ヴィンテージマンションと呼ばれる物件には、一定の共通点があります。まず都市部の利便性の高い立地にあり、歳月を経ても資産価値が下がらなかったり、むしろ資産価値が高くなっている物件であること。また外観や内装のデザインが年月を重ねるごとに豊かな風合いを醸成し、植栽や設備などの管理やメンテナンスが行き届いていることも共通点です。

これまで日本では「新築神話」といわれるほど、新築のマンションに人気が偏りがちでした。しかし昨今では「良いものを大切にケアしながら長く使いたい」という、サステナビリティな魅力を感じている方も多く、時を経てもなお魅力的な存在であるヴィンテージマンションの人気が高まっているようです。

海外ではヨーロッパでも数十年、数百年と歳月を経たヴィンテージマンションが多く残されています。例えばイギリス、イタリア、ドイツ、フランスなどでは街の景観や建築様式を守るさまざまな厳しいルールが決められています。そして、構造・材料・装飾などが贅沢でユニークな造りになっている建物が多く見受けられます。ヨーロッパでも都市部で利便性の高い場所にありながら、そのような風合いのある建築物に居を構えることがステータスにもなっているという点では、昨今の日本のヴィンテージマンションと同じようです。

●ヴィンテージマンションが人気の理由

ヴィンテージマンション

ヴィンテージマンションの人気の理由として、立地の良さに加え、今ではあまり見られない贅沢な建築部材や装飾など、ディティールにこだわった外観・内装があげられます。また物件によっては、ゆったりとした開放的なロビーにアートが設置されていたりと、住む人に豊かな気持ちを想起させてくれる工夫が施されているのも大きな魅力です。もちろん、そのような優雅な雰囲気を保持している背景には、細かな管理やメンテナンスが行き届いていること、またそこに住む各住民の意識の高さも安心材料になっている理由と考えられます。

2.ヴィンテージマンション購入時に注意すること

周囲の住環境の良さや趣のあるたたずまいが人気のヴィンテージマンションですが、購入するにあたって注意しなければならない点もあります。ヴィンテージマンションは、建築当時の過去の建築基準に沿ったものがほとんどであるため、現在の建築基準に適合しているか確認する必要があります。また、大規模修繕工事などの計画予定も知っておくことも大事でしょう。大規模修繕工事の費用は住民の積み立てによるものですので、入居後の出費を予測することができます。

3.ヴィンテージインテリアの空間づくり

レトロな雰囲気が人気のヴィンテージマンションですが、今お住まいのマンションでもインテリアを工夫することで「ヴィンテージライク」な雰囲気をつくることができます。
コツは懐かしさや温かみを感じさせる家具や小物を使い、素材や色選びに統一感を持たせることです。
ここではそんなヴィンテージマンションライクな3つのインテリアスタイルをご紹介します。

●シンプルで機能的な家具で人気「北欧ヴィンテージ」

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シンプルなデザインと無駄のない機能的な造りが特徴の北欧家具や照明を使ったインテリアスタイルです。スッとした線の細い脚やミニマムデザインの北欧家具は、高級感があって重すぎないルックスも日本の住まいに取り入れやすいのが魅力。和室にもなじみやすいデザインも多いので、和モダンの好きな方にもおすすめです。

●気分はNYのアパートメント「ブルックリンインテリア」

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NYのアパートメントを彷彿させるクールなインテリア。レザー素材、古木や木目のハッキリとしたウッド素材、レンガやタイル使いも似合うどちらかというとメンズライクなスタイルです。ダークブラウンやグレー、ブラックなどの色使いが、スタイリッシュで大人の雰囲気を演出できます。

●ホッと癒しを感じる「ナチュラルヴィンテージ」

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濃すぎないあめ色のカラーと経年した木の質感が魅力の家具に、天然素材のファブリックやレトロなベロア素材のソファなどが似合うインテリアスタイルです。全体的に「優しさ」や「親しみやすさ」を感じさせるカジュアルな雰囲気が特徴で、シンプルな壁や床に合わせやすいスタイルです。グリーンをふんだんに取り入れたり、木のオープンシェルフを活用したりと、カフェのような雰囲気も演出できます。

今回は、3種の「ヴィンテージインテリア」を紹介させていただきましたが、家具や小物、合わせる素材や色の組み合わせによって、様々なヴィンテージ感を演出することができます。ご興味がある方は、まずは、自分の好みのスタイルを見つけることから始めてみてはいかがでしょうか。

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■この記事のライター
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2022年4月4日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合がありますので予めご了承下さい。

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