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ラナンキュラスの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜

ベランダガーデニング

マンションでもガーデニングを楽しみたい方のために、ベランダでも楽しめるお花と育て方を紹介していくシリーズ。今回は、春のお花「ラナンキュラス」の育て方のポイントを初心者にも分かりやすく解説します。また、ラナンキュラスの花言葉やその他育成に役立つ知識にも触れていきます。

☆マンションでベランダガーデニングをするときの注意点
・マンションのベランダはあくまで「共用部」であることを忘れずに!
・大規模修繕工事の際はすべてを撤去する必要があるため、片付けが嫌な方は小規模なものにとどめておきましょう。
※詳しくは下記の記事も参照
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意

目次
1. ラナンキュラスとは
2. ラナンキュラスの花言葉
3. ラナンキュラスの育て方

1.ラナンキュラスとは

ベランダガーデニング

実は、ラナンキュラスは育てるのが難しい植物です。上の画像のようなロマンチックなラナンキュラスのほとんどは、ハウス栽培された切り花用の品種であり、残念ながらベランダガーデニングには向いていません。しかし、近年では「ラナンキュラスラックス」シリーズのようにガーデニング向けに品種改良されたラナンキュラスが登場し、種類を選べば、初心者でも簡単に育てられるようになりました。この記事を読んで、ぜひ一度育成にチャレンジしてみてください。

・特徴
ラナンキュラスは背丈30〜50cmほどのキンポウゲ科の球根植物で、原生地は中近東からヨーロッパ南東です。フランスのルイ9世が十字軍の遠征で中東を訪れた際に、母親にラナンキュラスをお土産に持って帰ったという逸話が残されています。ラナンキュラスの名前の由来は、なんと「カエル」だそうです。諸説ありますが、葉っぱがカエルの足に似ているからだといわれています。

・開花時期
ベランダガーデニングや庭植えで育てている場合、開花時期は3〜5月ごろになります。しかし、園芸店などでは、一足早い1月ごろから開花株が出回るようになります。人気の品種を購入したい場合は、春になってからではもう遅いかもしれません。なるべく早めに、1月ごろからチェックしてみてください。

・植え付け
ラナンキュラスの球根の植え付けは、秋に行います。ラナンキュラスの球根は、10月ごろ園芸店やホームセンターなどで、カラカラに乾いた状態で販売されます。乾いた球根を、急に水に漬けると腐ってしまうので注意しましょう。濡れティッシュなどの上にそっと置いて徐々に吸水させると、3日後位にはふっくらとしてきて植えつけられるようになります。深さ2cmのところに根が下になるように、15cm間隔に植え付けます。球根1個を鉢植えにするなら直径15cmの鉢が良いでしょう。球根には上下があるのでご注意ください。ベランダガーデニングなら、市販の花の培養土を利用すると便利ですよ。

●ラナンキュラス ラックスは初心者に最適!

ベランダガーデニング

画像出典:綾園芸 ※許可を得て掲載しています

ラナンキュラス ラックスとは、宮崎県の綾園芸が作出したラナンキュラスのシリーズで、花弁になめし皮のような光沢があるのが特徴です。その種類はなんと数十種類もあり、それぞれウラノス、アイオリア、ハデス、ウピス、アリアドネなどギリシャ神話由来の名がつけられています。
かつて、高温多湿な日本の気候下において育てるのが難しかったラナンキュラスですが、品種改良を重ねたこうした育種家のたゆまぬ努力のおかげで、今では植えっぱなしでも夏の熱さを乗り越えられるようになり、初心者でもベランダガーデニングで楽しめるようになったのです。おしゃれな園芸店やネットショップなどで購入可能ですよ。

2.ラナンキュラスの花言葉

ラナンキュラスは、「とても魅力的」「華やかな魅力」と、華やかな八重咲きの見た目通りのイメージの花言葉がついています。また、受験などに「合格」するという花言葉もあるようです。色別だと赤は「あなたは魅力に満ちている」、白には「純潔」という花言葉がついています。
それらの意味から、バレンタインデーや母の日などのプレゼントのほか、合格祈願・合格祝いなどにもピッタリです。

3.ラナンキュラスの育て方

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それでは、ベランダガーデニングでも楽しめるラナンキュラスの育て方についてご紹介していきます。ここでは通常のラナンキュラスの育て方について紹介しますが、「ラックスシリーズ」など品種改良された種類を選べば、より失敗しにくくなります。通常の品種でもいくつかのポイントを押さえて栽培すれば、初心者でも花を咲かせることができますよ。

・適している環境
ラナンキュラスは日本の高温多湿を嫌うので、風通しの良い場所で育てます。春の育成期や開花期には、お日様に良く当ててあげると花がたくさん咲きますよ。開花後に落葉が始まり、夏前には地上部がなくなります。そうしたら球根を掘り上げ、ネットに入れて風通しの良い場所に吊るすか、鉢のまま水を切りカラカラの状態で、雨の当たらない涼しい日陰で秋まで保管します。
ベランダガーデニングでは、建物の構造によって日当たりや降雨の影響などが異なるので、自宅のベランダの環境を熟知して、どの場所がいいか検討しておきましょう。

・室内での育て方
ラナンキュラスは寒さに強く、風通しの良い所を好むので、なるべく室内に入れないようにするのがベストです。空気のよどんだ薄暗い場所で育てると、病害虫にかかりやすく、間延びした病弱な株になってしまいます。室内に取り込むのは、基本的に冬に開花株を購入した場合や、氷点下になる時のみです。よく日が当たる窓際に置いて、風通し良く、過湿にならないように気を付けてください。

・水やり
ラナンキュラスは、過湿は厳禁なのですが、球根植物の中では水が好きなほうです。ベランダガーデニングでは、室外機の風が当たる場所だと、乾燥しすぎて葉がしおれてくる場合があるので、よく観察してください。鉢の表面が白く乾いてきたら、しっかり水を与えます。上から水やりすると花や葉が傷むので、なるべく下から水を与えてください。

・肥料
ラナンキュラスは肥料を好みます。鉢に植え付ける前に、用土に緩効性肥料(かんこうせいひりょう:長期間効果が続く肥料)の元肥(もとひ・もとごえ:植え付け時に施す肥料)を施します。新葉が生え出したら、置き肥(おきひ:土の表面に置く固形肥料)をします。育成期は水やり代わりに2週間に1回ほど規定量に薄めた液肥(えきひ:水で希釈して散布する液体肥料)を与えると花付きが良くなりますよ。葉があるうちに翌年のために球根を太らせましょう。葉が枯れてきたら置き肥も液肥もストップしないと、かえって球根が腐ってしまいます。

・育て方のポイント
ラナンキュラスの栽培は、良く日が当たり、長雨が避けられる場所が適しています。「過湿は嫌うが水やりは怠らずに、肥料はしっかり」がポイントとなります。二年目以降のラナンキュラスは、冬の寒さに当たらないと開花のスイッチが入らないので、冬であっても霜が当たらず凍らない軒下などで育てましょう。寒冷地で氷点下になるようなら夜間のみ室内に取り込みます。

・病害虫対策
ラナンキュラスは、夏は地上部分を枯らせて球根の状態で秋まで過ごしますが、葉が枯れる前の春に長雨が続くと、根腐れを起こしたり、うどん粉病や灰色カビ病などにかかったりすることがあります。害虫は、新葉にアブラムシやハダニが付くことがあります。また、葉っぱに絵を描いたような白い曲線が現れたら、エカキムシ(ハモグリバエの幼虫)が侵入しています。早めに殺虫剤で駆除しましょう。

●マンションのベランダでも育つラナンキュラスにチャレンジしてみましょう!
ベランダガーデニングに最適な、ラナンキュラスの育て方についてまとめてみました。ガーデン向けの品種を選んで栽培ポイントを押さえれば、マンションでも簡単に育てられそうです。ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください。独特の存在感を放つラナンキュラスが開花すれば、特別な感動を味わうことができます。

■あわせてお読みください。
・ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意
・ベランダガーデニングを楽しむ!初心者にもおすすめのベランダ菜園
・マンションのベランダ・バルコニーをおしゃれに有効活用
・自粛期間中 ベランダを工夫して、おうち時間を楽しもう
・大規模修繕工事終了!ベランダのお手入れ方法は?〜床編〜


■この記事のライター
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2022年3月7日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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