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眠れない時はどうする? 布団には入らない方がいい?! 睡眠導入おすすめアイテムも

マンション 寝室

眠れない時、睡魔がやってくるまで布団に入ってじっとしている方は多いのではないでしょうか。しかし、実はこの行動が逆に睡眠を妨げている可能性があります。
そこで今回は眠れなくて困っている方向けに、睡眠導入に役立つ様々な方法をご紹介します。つらい不眠を和らげる手がかりを探してみてください。

目次
1. 目指せパブロフの犬! 寝床は寝るだけの場所に
2. 暖房で暖めすぎるのはNG? 頭寒足熱が基本
3. 赤ちゃんにも効果あり? ホワイトノイズが眠りにいざなう

1.目指せパブロフの犬! 寝床は寝るだけの場所に

布団に入ったはいいけれど、いつまでも眠れない。でも明日に備えてとにかく布団に入って眠くなるまで待ち続ける……こんな状態では不安になるのも当然です。
しかし、そんな夜を繰り返していると、脳が「寝床=不安や緊張を生み出す場所」という勘違いをしてしまうことがあります。

心理学の有名な実験に、ベルを鳴らしてから犬に餌を与えるようにしていると、そのうち犬がベルの音を聞いただけで反射的によだれを垂らすようになる「パブロフの犬」と呼ばれる現象があります。これと同様に、眠くないのに無理やり寝床に入る行動を続けると、寝室やベッドを見るだけで「今日も眠れないのではないか」と思ってしまうようになり、より深刻な不眠状態に陥ってしまう恐れがあるのです。
不眠を解消するには、それとは逆に「寝床=リラックスして眠れるところ」という構図を脳に覚えさせる必要があります。これを、「刺激制御法(刺激コントロール法)」と言います。

刺激制御法の手順を簡単にご紹介します。

1.心地良い状態で寝床に入るようにする。眠る前に音楽を聴く、本を読むなど、好きなことをして気分をリラックスさせる。
2.寝室に行き、布団に入る。
3.15〜30分程度経っても眠くならなかったら、寝室を出て別の場所に移動する。
4.別の場所で作業をしたり、趣味にいそしんだりして過ごし、眠くなるまで待つ。
5.眠くなったら再び寝室に行き、布団に入る。

基本は「眠くない→別の部屋に移動→眠くなったら寝室」の繰り返しです。眠気と寝室が脳の中で自然と結びつくようになれば成功と言えます。

2.暖房で暖めすぎるのはNG? 頭寒足熱が基本

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人間の体は、深部体温(体の内部の温度)が下がると眠くなるような構造になっています。ところが寝室が寒いと、体を温めようと脳が興奮状態になってしまいます。そのため、あらかじめ布団や寝室を暖めておくことは、冬の快眠に重要です。

一方、暖房で部屋を過剰に暖め続けたり、電気毛布で体を温めすぎたりすると、頭がぼうっとなり逆に深部体温が下がる際の妨げになってしまうことがあります。そこで寝る前によく部屋や布団を暖めておき、寝る時に暖房を切る、温度を適温にするなどしてゆっくり深部体温を下げていくのがベストです。
体の中では、特に頭の温度を下げることが良質な睡眠を促します。夏場は寝苦しさから冷房の温度を下げがちですが、体全体を冷やすと体温調節機能がうまく働かなくなることがあります。そんな時は冷却ジェルシートや冷感素材の枕カバーを使うと、頭を集中的に冷やすことができます。

しかし、頭と逆に足首の温度は上げた方が睡眠に繋がります。足首が温まることで足の裏に汗をかき、結果的に体の深部が冷えるからです。ただし、足全体を覆う靴下は、足の裏の発汗を邪魔することがあるため、足首だけを温めることができるレッグウォーマーの方が靴下より睡眠に適しているといえます。
睡眠の基本は、頭寒足熱冷であることを覚えておきましょう。

また、睡眠に効果的なツボを押すという不眠対処法もあります。
足の裏、かかとの中心部分の少しへこんだ場所に「失眠穴(しつみんけつ)」と呼ばれるツボがあります。握りこぶしでツボを10回程度とんとんと軽くたたいてみましょう。睡眠を促進する効果が期待できます。足の裏にあるツボなので、刺激するときは椅子に座るか、寝た状態で行ってください。

3.赤ちゃんにも効果あり? ホワイトノイズが眠りにいざなう

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眠るために寝室は静かな方が良いと考える人が多いと思いますが、実は無音状態が睡眠を誘うとは限りません。むしろ静かすぎる状態は不自然なため、眼が冴えてしまうこともあります。人間は、一定の音を聞いていた方が眠りやすい傾向にあるのです。

睡眠に誘ってくれるアイテムの一つに、家電量販店などで販売されている「ホワイトノイズマシン」があります。
ホワイトノイズとはいわゆる雑音で、周波数がバラバラの音を同じ強さで再生したものです。アナログテレビの砂嵐のような「サー」といったような音で、このホワイトノイズを発生させるホワイトノイズマシンは、集中力を高めたり、眠気を誘ったりする効果があるとされています。赤ちゃんの寝かしつけや、家族のいびきがうるさくて眠れない時などにも効果が望めるようです。
しかしその一方、ホワイトノイズの音量や、音を聞いている時間の長さによっては、難聴につながる危険性も指摘されています。マシンを使うときは、音の大きさや長時間での使用に注意したいところです。

音に関しては一定の環境音が眠りに導いてくれることもあります。波の音や小川のせせらぎ、鳥の鳴き声など自然の中で聞くことができる音は、人に安心感をもたらす効果があると言われています。睡眠導入に適しているとされる環境音は、動画サイトやアプリなどでも豊富に提供されているため、チェックしてみるのもよいでしょう。

また、最近注目を浴びているASMR動画も、睡眠に効果があるのではないかと言われています。ASMRとはAutonomous Sensory Meridian Responseの略語で、聴覚などに刺激を与えることで生じる快感等を指す言葉です。例えば、人が耳元でささやいている音は、背中がこそばゆくなるような感覚や癒しを生じさせます。ASMR動画にバイノーラル録音という音を立体的に録音できる手法が使われていれば、音の再現度がより上がります。動画配信サイトには多数のASMR動画が投稿されているので、自分の感覚に合った「眠れる」作品を探してみてはいかがでしょうか。

今回は、刺激制御法、頭寒足熱、ホワイトノイズ、ASMRなどの不眠対処法を紹介しました。様々な方法がありますが、どの方法が眠りやすいか、実践しやすいかは人それぞれです。自分に適したものを選択してください。

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《この記事のライター・インタビュアー》
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2022年1月31日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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