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大量発生するカメムシ。 刺激は厳禁! マンションにおけるカメムシ対策〜駆除と予防〜

カメムシ

刺激により悪臭を放つカメムシは駆除するのもやっかいな害虫です。ガーデニングに被害を及ぼしたり、洗濯物などに潜んで部屋の中に侵入したりすることがあるため、家の周辺でカメムシを見たら要注意です。今回はカメムシの生態や臭い対策、そして実際の駆除方法や予防策などをご紹介します。

■目次
1. マンションで大量発生するカメムシは? カメムシの生態を知る
2. カメムシをできるだけ安全に駆除する方法
3. カメムシを部屋に入れないための予防策

1. マンションで大量発生するカメムシは? カメムシの生態を知る

まずはカメムシの生態について知っておきましょう。実は、カメムシは非常に種類が多いのですが、日本でよく見られるのは主に下記の3種です。

クサギカメムシ:緑色で日本に多い、体長約15mm
スコットカメムシ:茶褐色で寒冷地域に多い、約10mm
マルカメムシ:丸い形状でマメ科の植物を好む、約5mm

このうち、住宅地でよく見られるのがクサギカメムシとスコットカメムシです。いずれも大きさは15mm以下と小さなことから、マンションでも換気扇や網戸など2mmほどのすき間があれば簡単に室内に侵入してしまいます。クサギカメムシは年間を通して住宅地の周辺を飛んでいますが、基本的に寒さに弱く、越冬した個体が4月ごろから活動し、5月から8月にかけ産卵・孵化し、9月から10月に越冬準備のため活動のピークを迎えます。そのため、秋から冬にかけて成虫を見かけることが多いです。

☆カメムシの対策については、こちらの記事もご覧ください。
カメムシがマンションで大量発生? カメムシの発生時期と産卵、いつ、どこに?

《もし、カメムシの臭い成分が手などついてしまったら》
さて、カメムシの強烈な悪臭は、カメムシが身の危険を感じたときに発します。その臭いの強烈さはカメムシ自身もショック死することがあるほどです。
カメムシの臭いが手や服につくと取れにくいといわれますが、それは、その臭いの成分が油に溶けやすく水に溶けにくいためです。
万が一、カメムシの臭い成分が手などについてしまった場合は、サラダ油やオリーブオイル、クレンジグオイルなどの油系の液体を手にすり込んだあと、石けんで洗い流しましょう。衣類などについてしまった場合は、界面活性剤入りの洗剤で洗うか、ドライヤーやスチームアイロンの熱をあてるのも有効です。

2. カメムシをできるだけ安全に駆除する方法

カメムシ

もし、家の中にカメムシが侵入してしまったら、一番重要なのは悪臭を発生させないことであり、そのためには、とにかくカメムシを驚かせないことが大切です。したがって、間違っても叩いたりしてはいけませんし、掃除機で吸い込むのも掃除機内部で悪臭を発生する場合がありますので、こちらも厳禁です。

100%安全な手段はありませんが、できるだけ悪臭を出させずにカメムシを駆除するには、次のような方法があります。自宅に材料があり、自分でできそうな方法を選んで、あわてずに落ち着いて実行しましょう。

《悪臭を出させずにカメムシを駆除する方法》

・カメムシの体全体をティッシュで覆う(※状況を問わず)
刺激を与えないよう、ふんわりとしたティッシュでやさしく覆うようにして捕獲して逃がしましょう。持ち上げた際にモゾモゾ動くカメムシに驚いて離さないように注意してください。ティッシュで持ち上げたあとは、ビニール袋に入れて口を結んで運ぶとより安全です。

・ガムテープを使う(※床にいる場合)
カメムシの進行方向に紙を置いて誘導し、上に乗ったら粘着力の強い布ガムテープで上から覆い、カメムシをつぶさないように周囲を貼り付けて閉じ込めます。ガムテープのみで捕獲に挑戦する方もいるようですが、よほど慣れていないと失敗します。

・牛乳パックを使う(※天井・壁にいる場合)
空の牛乳パックの上部を全開にし、中に食器用洗剤を数cm入れておきます。カメムシにパックの口を近づけて軽く触り、中に落ちたら牛乳パック上部を閉じます。

・ペットボトルで捕獲器を作る(※天井・壁にいる場合)
ペットボトルの上部3分の1くらいを切り、切った部分を上下逆にして下部にはめ、テープで固定し、中に食器用洗剤を数cm入れておきます。カメムシに捕獲器を近づけて軽く触り、中に落とします。

・市販の殺虫剤を使う(※状況を問わず)
凍結タイプのスプレー剤を直接吹き付けるのが効果的です。驚かさないようにゆっくり近づき、吹き飛ばさないようになるべく垂直方向から吹き付けるようにしましょう。

3. カメムシを部屋に入れないための予防策

カメムシ

家の中でカメムシを駆除するのは何かと面倒なので、できれば避けたいものですが、それには、そもそも家の中にカメムシを入れないことが大切です。カメムシがどうやって室内へ侵入するのかを知って、効果的に対策をしましょう。

・洗濯物を取り込むときに注意すること
カメムシは白い色を好むため、外に干した洗濯物、特に白いシーツなどにつくことがあります。洗濯物を取り込むときはよく確認し、もし、カメムシがついていたら、ベランダで洗濯物をゆらしたり振ったりして、飛んで行かせるようにします。このとき、激しく振る、叩くなどしてカメムシを刺激してはいけません。
この方法でカメムシを逃せない場合は、上記のガムテープや捕獲器を使う方法を試してみるか、市販のカメムシ専用の駆除スプレーを使うのもいいでしょう。殺虫成分が入っていない、洗濯物にかけても問題のない製品も販売されています。
また、カメムシは柔軟剤のフローラルな香りを好むという性質もあるようですので、柔軟剤を使用している場合は、よく注意して洗濯物を取り込むようにしましょう。

加えて、カメムシを洗濯物に寄せ付けない、他の経路から室内へ侵入させないようにすることも大切です。そこで、ベランダや開口部に下記のような対策をしましょう。

・ベランダの雑草・落ち葉をそのままにしない
ベランダでガーデニングをしている場合、雑草が生えていたり落ち葉が溜まっていたりするのは、カメムシが好む環境です。こまめに雑草・落ち葉を取り除きましょう。

・開口部などの隙間をなくす
カメムシはわずか2mm程度のすき間からでも入ってきます。ガラス戸や網戸と窓枠の間、ガラス戸・網戸どうしの合わせ目にすき間がある場合はすき間テープなどでふさぐようにしましょう。

・市販の忌避剤を使う
侵入を防ぐには市販の忌避剤も有効です。窓ガラスや網戸などにスプレータイプの忌避剤を吹きかけておきましょう。

侵入したカメムシが室内で産卵・繁殖すると駆除するのも非常に大変です。マンション周辺でカメムシを見かけたら、家に入れないよう早めの対策をおすすめします。

■あわせてお読みください。
・カメムシがマンションで大量発生? カメムシの発生時期と産卵、いつ、どこに?
・マンションにおける衣類の害虫対策! カツオブシムシが発生する原因と駆除方法
・塩より熱湯? ベランダのナメクジ駆除と予防方法
・マンションの害虫対策! 衣類害虫イガ・コイガから衣類を守ろう
・マンションの害虫対策! ゴキブリはどこからやってくる?
・ベランダを片付ける! やっかいな鳥のフン対策と掃除方法
・鳥害からマンションを守る! 屋上・ベランダ・ゴミ集積所におけるカラス対策


《この記事のライター》
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2021年9月6日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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