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コンパクトマンションって何? 今、再注目される理由とそのメリット

コンパクトマンション

2000年代前半に人気を博した「コンパクトマンション」が、近年のライフスタイルの変化などにより、再注目されています。コンパクトマンションは広さでいえば、ワンルームとファミリー向けの中間にあたるマンションです。
今回は、コンパクトマンションのメリット・デメリットや、お住まいのマンションにコンパクトマンションの要素を取り入れるリノベーション等についてご紹介します。

目次
1. コンパクトマンションとは、再注目されている理由
2. コンパクトマンションのメリット・デメリット
3. お住いのマンションにコンパクトマンションの要素を取り入れる!

1. コンパクトマンションとは、再注目されている理由

コンパクトマンション

コンパクトマンションは2000年代前半に人気を博した後、近年、再注目されています。コンパクトマンションには、厳密な定義はありませんが、一般的に専有面積30〜50m²程度の広さのマンションを指します。間取りは1LDKや2DKが多く、夫婦と子どもで暮らすには少し手狭になります。

近年、再注目されている背景として、シングルやディンクス(DINKs:共働きで子どもをつくらない選択をした夫婦)のような1〜2人世帯が増加していることとがあげられます。コンパクトマンションは単身や2人で暮らすのにちょうど良い広さで、ファミリー向けのマンションよりも掃除や戸締りがラクといったことから、子どもが独立したシニア世帯にも使い勝手が良いようです。また、夫婦共働きで子どもがいないディンクス層向けの便利な設備を備えたDINKsマンションも登場しています。少人数の家族のニーズにあったマンションといえます。

2. コンパクトマンションのメリット・デメリット

コンパクトマンション

コンパクトマンションのメリットのひとつに立地面での利便性があります。コンパクトマンションは駅近や街の中心部などに位置する物件が多いため、通勤や買物に便利で職住接近のライフスタイルに向いています。こうした立地では物件価格が高くなりがちですが、コンパクトマンションは、ファミリー向けのマンションよりも面積が小さいことから価格が抑えられます。そのため、立地条件が良く、資産価値が下がりにくいマンションを低価格で購入できることが魅力の一つです。

コンパクトマンションは、シングルやディンクスに向けて、宅配ボックスやゴミのディスポーザーなどの共用施設が充実した物件が多く、また、「住民にファミリー層が少ないため、近所づき合いがあまり少ない」「コンパクトな間取りであることから掃除などの家事が手軽にできる」「買物した荷物をキッチンに運ぶときや寝室からトイレに行くときの移動距離が少なくて済む」など、忙しい共働き夫婦やシニアにとってはうれしいメリットなのではないでしょうか。

一方で、ファミリー向けのマンションと比べて面積が狭いことから、子どもが増えた、親と同居することになった等、ライフスタイルが変わったときに間取り変更がしづらいといったデメリットもあります。ライフスタイルの変化に応じて住替えをしていくのか、それとも将来間取り変更しやすい物件を選ぶのかといったことも、マンション選びの選択材料にした方が良いかもしれません。

3.お住いのマンションをコンパクトマンションの要素を取り入れる!

コンパクトマンション

高齢化が進む現代では、子どもが独立したあと、これまで暮らしてきたファミリー向けのマンションでは、広すぎると感じる人もいるでしょう。そのようなときには家事がしやすく便利なコンパクトマンションへの住み替えも考えられますが、工夫しだいでいま暮らしている部屋をコンパクトマンションの要素を取り入れることも可能です。間取り変更が方法のひとつですが、その前に、気をつけたいのが、できるだけ動線を短くシンプルにすることです。

例えば、寝室(居室)とトイレ、洗濯機置場とベランダは、近い方が便利です。マンションでは水回り設備の移動がむずかしいケースが多いですが、出入口の場所や向きを変えるだけでも移動がラクになることがあります。洗濯物をベランダで干すのをやめて洗濯乾燥機に買い替えるといったことも選択肢になるでしょう。

また、壁紙やカーテンを白やベージュなどの膨張色にすれば実際よりも広く、すっきりした印象になります。家具を置く面積は床の3分の1を超えないようにすれば、狭苦しい印象を防げますし、掃除もしやすくなります。さらに、窓の周囲にできるだけものを置かず、昼間は窓からの光がたくさん入るようにすれば開放感を得られます。夜間は間接照明で壁や天井を照らせば、奥行き感を演出できます。

※狭い部屋を広くみせる工夫については、こちらの記事もご覧ください。
マンションのリビングを広々と使うための家具選びのヒント

家族構成やライフスタイルは時の流れとともに変化していきますので、コンパクトマンションやリノベーションは選択肢のひとつとなりますが、それらにかかる多額の費用負担は厳しいものです。そのような場合でも、収納家具を間仕切りにしてリビングの一角を読書コーナーにするなど、現在のお住まいにコンパクトマンションの要素を上手く取り入れてみることをおすすめします。工夫をすることで少しでも部屋を広く感じられるようになったり、利便性が向上したりするなど、住まいをより快適な空間にすることができるでしょう。興味がある方は、一度コンパクトマンションについて研究してみるのも良いかもしれません。

■あわせてお読みください。
・マンションのリビングを広々と使うための家具選びのヒント
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■この記事のライター
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2021年12月13日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合がありますので予めご了承下さい。

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