毎週月曜日更新

毎週月曜日更新

タグ一覧

現場担当者に聞く 〜第2回 首都圏MR 工事部 N.Nさん編

マンション 大規模修繕
現場所長と一緒に業務を行っている現場担当者を紹介していくシリーズです。
現場担当者は比較的年齢の若い社員が中心で、所長と並んで工事現場の最前線にいる方々です。
新卒の新入社員の頃、初めて建設改修業界に足を踏み入れた頃から、どのような経験を重ねてきているのか、インタビューを行い掘り下げていきます。

こんな人におすすめ
● 大規模修繕工事まっただ中のマンションにお住まいの方に
● 建設業界に興味のある学生さんに
● マンション改修業界で働きたいとお考えの方に

目次
1. 今回の現場担当者 基本情報
2. 現場の運営にあたり、意識していることは何ですか。
3. 現場の運営の中で、大変だなと思う点は何ですか。
4. 現場担当者の1日のルーティーンを教えてください。
5. 今回担当されている現場は、どのような印象ですか。
6. 今後の目標を教えてください。

1. 今回の現場担当者 基本情報

取材日 2020年6月22日
イニシャル N.N さん
入社年 2012年(平成24年)
年齢 30歳(2020年6月時点)
部署 首都圏マンションリニューアル事業部
工事統括部
学歴 私立大学 建築学科 卒業
経歴 新卒で建装工業へ入社
首都圏マンションリニューアル事業部に配属され、
東京都・千葉県・埼玉県にて大規模修繕工事を多数経験。

2. 現場の運営にあたり、意識していることは何ですか。

マンション 大規模修繕

現場内の仮設トイレと仮設水道

現場全体の雰囲気をいかにして明るくするか、ということを意識しています。
居住者の方の多くは、作業員さんに対して怖いイメージを持たれていると思います。全体的に明るい雰囲気を作って、怖いイメージを払拭しようと心がけています。それから、現場事務所内や居住者様、作業員さんとコミュニケーションを取りやすいような雰囲気を作りたいです。居住者の方は、日中は奥様が在宅していることが多いので、私たちが働いているところをよくご覧になっているんですね。
私が女性ということもあり、質問をされることはよくあります。工事に関する質問はもちろんですが、「トイレ掃除してましたね」とか、気軽に声をかけていただけることも多いです。
工事の終盤に、居住者の方から感謝のお手紙をいただくこともあります。話しかけやすい雰囲気を作れているのかな、と思うと嬉しくなりますね。

その他には、作業員の皆さんにとっては、事故が起こりにくくなることにもつながると思っています。小さなことでも報告や相談をしやすい雰囲気を作っておけば、危険の種を見て見ぬふりをしてしまうことも減ると思うんですよね。
普段からコミュニケーションをきちんと取れていると、困った時には、社内の人も協力会社のみなさんも助けてくれます。実際に多くの現場で助けてもらってきました。

3. 現場の運営の中で、大変だなと思う点は何ですか。

マンション 大規模修繕

サービスバルコニーの様子 足場からここに出入りします

一番は、体力的な問題です。毎日、足場から各ベランダに出入りするのはけっこう大変です。住戸の数だけベランダがありますし、小さなサービスバルコニーがあれば更に増えます。ここが一番体力を使いますね。

それと、私自身はまだ1回しか所長を務めたことが無いので、所長と一緒にペアやチームになって現場を運営していることの方が多いです。工事自体はやることは同じですが、現場の運営方法が所長によってカラーがあるので、そのやり方に毎回慣れることが最初は大変ですね。でも、これまで10名程度の方と一緒に仕事をしてきましたが、皆さんそれぞれから得られるものが違って、とても勉強になります。次の現場は私が所長を務めることになるので、これまでの経験を生かして頑張りたいです。

4. 現場担当者の1日のルーティーンを教えてください。

マンション 大規模修繕

朝礼の前後の様子

朝礼は私が中心になって進めています。その後は、鍵開け、KY(危険予知活動の頭文字)用紙のチェックとコメント記入などをします。作業員の体温測定もこの時にやっています。
ひと段落したら、検査や現場確認に出たり、書類関係の仕事をしたりします。昼食を挟んで、当日の作業状況や翌日の作業内容の確認のため、昼礼を行います。その後はまた検査・書類にいそしみ、夕方になったら戸締りやトイレ掃除をします。
今は特に新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、トイレ掃除はまめにやるようにしています。その後にまた書類関係の仕事をやって、だいたい19時台には現場事務所を出ています。

業務全般に言えることですが、人とは積極的に話すようにしています。居住者の方からの質問に対してはもちろんですが、作業員さんと現場の細かい納まりや今後の工程についてなど、話して打ち合わせることがとても多い仕事だと思っています。こうしたコミュニケーションが好きな人に向いている仕事だと思います。

5. 今回担当されている現場は、どのような印象ですか。

※参照 工事現場を見る 〜第3回 埼玉県さいたま市編

日中に在宅している奥様方のうち、私自身と年齢が近い方が多いようだったので、居住者の皆様とはお話ししやすい印象を受けました。

工事内容としては、オーソドックスな工事内容が多かったです。屋上防水や廊下・ベランダ床の長尺塩ビシートの張り替えはやらないという計画だったので、まだ問題のないところや保証期間内の範囲には手を付けないという考え方に基づいて計画された工事でした。その一方で、エントランスの改修工事は、たくさんの人の目に触れる部分ということもあり最新の工法できれいにさせていただきました。経験したことのない工事だったので、興味深くて面白かったです。

6. 今後の目標を教えてください。

現場の管理はやっていきたいですね。様々な工種の工事の順序や期間をやりくりして、工程を立てて工事を進めていく作業が好きです。お金の管理はまだ難しいなと思っています。

建設業界でも女性の進出が進んでいますが、特にマンション改修工事は、現場監督を目指している女性にはおすすめの職場だと思います。工事の管理という部分はもちろんありますが、居住者の方と接する機会が非常に多い仕事なので、女性であることの強みを生かしやすいです。日中に在宅している方は、高齢者の方や奥様である女性が多いので、現場監督も女性の方が親しみやすさがあるのかもしれません。
人による部分もありますが、全体としてはそんな傾向にあると感じています。


■あわせてお読みください。
1. 工事現場を見る 〜第3回 埼玉県さいたま市編
2. 現場所長に聞く 〜第3回 首都圏MR 工事部 K.Yさん編
3. 現場担当者に聞く 〜第1回 首都圏MR 工事部 H.Mさん編
4. 現場所長に聞く 〜第2回 首都圏MR 工事部 T.Sさん編
5. 現場所長に聞く 〜第1回 首都圏MR 工事部 Y.Iさん編

《この記事のライター》
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター

(2020年9月7日記事更新)

おすすめコンテンツ