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うちのマンションは大丈夫? 建物電気設備の浸水対策ガイドラインが示されました

浸水対策

マンションの浸水対策について考える 今できることは?

2019年10月、台風19号によりタワーマンションの地下電気設備が浸水し、停電や断水が続く様子が様々なメディアで取り上げられました。同じくタワーマンションにお住まいの方は、特に注目されていたのではないでしょうか。

このような被害を受けて、国土交通省と経済産業省は、2019年11月より建築物の浸水対策についての検討会を開始し、2020年2月18日に、「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」の原案を発表しました。建築物の浸水対策について国から方針が示されるのは初めてのことで、2020年春の策定を目指しています。マンションに限らず、オフィスビル、庁舎、病院、商業施設など、幅広い建物を対象としています。

ガイドライン案の中では、まずライフラインとなる電気設備は、ハザードマップ等で浸水の深さや継続時間を具体的に予測した上で、浸水リスクの低い場所への設置を推奨しています。しかし、既に地下などの浸水リスクの高い場所に電気室があるというマンションも多いでしょう。これを移設しようとすると、工事が非常に大がかりで高額となることや、給水ポンプなどそもそも高いところには設置できず移設が困難な設備があることが予想されます。そうした場合には、浸水経路を予測して止水板や土嚢袋を用意したり、浸水量を軽減するために雨水貯留槽を設置したり、といった方法が挙げられています。止水板の設置などは、緊急の人的な作業となるので、実際の豪雨の時にどのように動くのかについて、平時から検討しておくことも合わせて要求されています。

台風を期にご自身がお住まいのマンションの浸水対策について考え始めた、という方も多いかと思います。まずできることは、ハザードマップ上でのマンション位置の確認と予想される浸水高さの確認、浸水経路となりうる場所の検討とその部分への対応策の検討、浸水してしまった時に水を排出する方法の検討、浸水しそうな時ともし浸水してしまった時の連絡体制や各居住者がとるべき行動の検討と周知、そしてそれを実行するための訓練の実施です。浸水経路の予測は、建築物とその設備に関する専門的な知識も求められます。浸水対策について検討したことのある建築士事務所や、浸水対策工事の施工実績を持った会社に相談してみるのもひとつの方法です。建築物の電気設備は、今回注目されている浸水への対策だけではなく、これまで通り地震や火災にも備えなければならないので、同時に考えなければならない事項も多いのです。

2020年2月18日に、NHKのニュースの中で、東京都江戸川区のマンションが実際に浸水対策について検討する様子が取り上げられました。

⇒「台風などによるマンションの浸水対策 国が初めての指針案」

ここ数年、過去に経験のないような甚大な被害をもたらす自然災害が起こるようになってきました。次の秋にはまた台風のシーズンがやってきます。その前にお住まいのマンション内で浸水対策について真剣に考えてみると良いのではないでしょうか。

《この記事のライター》
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター

(2020年2月28日記事更新)

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