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マンション防災 自主防災組織はあったほうがいい?

マンション 防災

1. 大型化する災害と自主防災組織

大型台風や大雨が相次ぎ、各地で多くの住宅が被害を受けています。
これまでマンションは比較的災害に強いと考えられていましたが、最近ではマンション特有の被害も発生しています。異常気象などから、今後も自然災害の大型化や頻発化が予想され、被害件数の多さと行政による公助の限界から、地域コミュニティの自助と共助の大切さも指摘されています。

自然災害を止めることはできませんが、自分たちの工夫や努力、また助け合いによって被害を減らすことはできます。
それが自宅や地域の防災・減災における自助と共助の考え方ですが、この自助と共助を機能させるうえで基本となるのが自主防災組織です。
マンションの自主防災組織とはどのようなものか、また、その必要性について考えます。

2. なぜ、自助と共助が必要なのか

数十年に一度といわれるほどの大きな災害がこの数年間で何度も起きています。
大規模な災害が発生すると、電話などの通信網や道路や鉄道などの交通網が寸断されたり、電気・ガス・水道といったインフラ設備がダメージを受けたりすることが少なくありません。このような状況下では、消防や警察など行政による救助や防災対応、つまり、「公助」が行き届かないことが考えられます。
そもそも、「公助」は全ての人をカバーできるものではないのです。例えば、大きな災害の時には、避難所でも全員分の物資が初めから用意されているわけではありません。
行政自体も被災し、避難所の開設もままならないということも十分に起こりうるのです。「公助」によって行政が全て助けてくれるだろう、という考えからは、脱しなければなりません。

そうした場合に被害を少なくするには、まず災害発生時に自分の身の安全を守る「自助」と、安全を確保したあとに近隣で助け合う「共助」が欠かせません。防災を考える上では、災害直後は「自助」と「共助」、ある程度全体像が見えてきたら「公助」の力を借りる、というように、それぞれが適切なタイミングで機能するということが重要なのです。

⇒「災害発生時に必要となる住人の自助と共助。あなたのマンションは大丈夫ですか?」

今回取り上げる「自助」と「共助」は、住民自らによる防災活動になります。いざというとき実際に適切な行動が取れるようにするために、日ごろから自主防災を意識し、防災に必要な知識を身につけておきたいものです。また、地域の住民どうしで協力しあってスムーズな防災活動を行うための基盤となる組織が自主防災組織です。
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3. 自主防災組織とは? 管理組合との違い

一般的に、各地域では町内会単位で自主防災組織がつくられていることが多いようですが、マンション防災を考えると、マンションごとに建物の特徴など特殊性があることから、マンション独自の自主防災組織があるほうが望ましいといえるでしょう。では、マンションの自主防災組織とはどのようなものでしょうか? また、管理組合とはどう違うのでしょうか?

まず、管理組合は、マンションの維持管理を目的とし区分所有者が強制的に加入するものです。これに対し、自主防災組織は、防災を目的とした住民による自主的な活動のための組織で、任意加入の自治会の中に設立されます。つまり、自治会のないマンションで自主防災組織をつくるには、先に自治会をつくる必要があります。

4. マンションに自主防災組織をつくることのメリット

自治会が機能し住民間のコミュニケーションが取れていれば、自主防災組織の必要性をあまり感じないというケースもあるかもしれません。
しかし、明確に防災を目的とした組織があるほうが、防災訓練や災害時の情報伝達、避難体制や備蓄物資の整備など、日ごろからの防災対策をより具体的かつ計画的に行えます。
また、自主防災組織があれば、組織運営や防災訓練、防災用機材などにかかる費用について行政からの助成を受けることができます。平常時・災害時とも防災活動には行政、つまり「公助」との連携が欠かせませんが、自主防災組織はその窓口としての機能も期待されます。

とはいえ、自主防災組織は単にあれば(つくれば)安心というものではありません。
実際に東日本大震災のときには、仙台のあるマンションでは自主防災組織が中心になり、住民の安否確認やライフラインの復旧を迅速に行いました。これは平常時からの取り組みによる備えがあってのことです。さらに、このマンションでは東日本大震災の経験をもとに防災対策の向上を目指しています。

※詳しくは、下記記事をご覧ください。
⇒「管理組合に聞く タワーマンションにおける防災と大規模修繕への取り組み 〜ライオンズタワー仙台広瀬〜」

マンション防災の基本は、日ごろから住民一人ひとりが「自分たちのマンションは自分たちで守る」という意識を持つことです。そのうえで、住民どうしが協力しあって災害時の自助と共助を有効に行うための組織づくりをしていきましょう。
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《この記事のライター》
大塚 麻里絵
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター

(2019年12月2日記事更新)

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