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管理組合に聞く シニア向け生活支援付きマンションで行われた“優しい大規模修繕工事”とは? 〜マンションクリエイティブリフォーム賞受賞・メデカマンション桂の事例〜

メデカマンション桂
高齢化が進む日本において、マンションでもシニアを対象にした物件が増加しています。

宮城県仙台市にある「メデカマンション桂(かつら)」は、東北初のシニア向け生活支援付きマンションとして注目されており、この度行われた大規模修繕が、一般社団法人マンション計画修繕施工協会が主催する「マンションクリエイティブリフォーム賞」を受賞しました。

そこで今回は、株式会社ユニマットリタイアメント・コミュニテイの小林信様に、マンションの概要と、この度行われた大規模修繕工事についてお話を伺いました。
小林様は、会社の立場としてはメデカマンション桂の支配人であると同時に、管理組合の理事も務めていらっしゃいます。

(聞き手:KENSO Magazine編集部 [リボンハーツクリエイティブ株式会社])

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目次
自由な環境でシニアの生活をサポートするマンション
入居者にストレスをかけない“優しい大規模修繕工事”
人間味のある、あたたかい対応が印象的
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自由な環境でシニアの生活をサポートするマンション

――メデカマンション桂の特徴についてお教えください。

小林:一言でいうと、メデカマンション桂の特徴は、ライフサポートサービス付きのシニア向けマンションであるということです。シニアマンションの数はまだ少なく、東北では初のライフサポート付きのシニアマンションです。
あくまでも分譲マンションですので、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅とは異なります。将来的にも、介護保険、ヘルパーによる種々のサポート、マンションのサービスを上手く組み合わせて、自宅で安心して快適に、なおかつホテルのように暮らせるというコンセプトを持っています。

メデカマンション桂で行っているライフサポートサービスは、自由に外出して遊ぶことができる「アクティビティサービス」、毎日の生活を不便なく快適に送ることができる「日常生活支援サービス」、健康管理や緊急時の対応をサポートする「ヘルスケアサポートサービス」があります。
具体的には、一般的なマンションにはない共用施設や共用設備として、健康管理室や静養室、サウナ付き大浴場、ダイニングルーム、ティーラウンジなどを備えており、アクティビティサービス、日常生活支援サービス、ヘルスケアサービスを提供するために役立っています。

当社はこのマンションの売主であると同時に一部の住戸の区分所有者ともなっておりますので、管理組合の一員であり、今回の大規模修繕工事の実施に際して、工事の実施に向けて活動する理事でもあるという立場です。
メデカマンション桂
さらに、各住戸には、ナースコール設備や生活リズムセンサーを完備しており、手厚いヘルスケアサービスを実現しています。また、路線バスのように駅や医療機関を巡回する車もあり、安心、便利な生活に役立っています。
日常生活支援サービスや、ヘルスケアサービスを行っている一般的な有料老人ホームなどの介護施設の場合、食事の提供を受けるためには予約しなければいけない、門限がある、外出・外泊の制限があるなど制約があることが一般的ですが、このマンションでは食事の予約をする必要もありませんし、門限や外出、外泊の制限もありません。
メデカマンション桂
ライフサポートサービス付きシニアマンションというものの認知度がまだ低いにも関わらず、95%という高い入居率となっています。

このように、手厚いサポートと自由度の高さを実現しているのがメデカマンション桂です。高齢者向けのサービスを受けながら、自由な生活もしたいというシニアの方におすすめのマンションです。
メデカマンション桂

入居者にストレスをかけない“優しい大規模修繕工事”

――今回大規模修繕を行う上で、どのような経緯で建装工業株式会社を選ばれたのでしょうか。

小林:マンションの管理組合としては、大規模修繕工事について知識が不足していましいた。どう進めればいいのか、どのような施工会社に頼めばいいのか、そうしたことが全くわからず、東北マンション管理組合連合会に相談しました。大規模修繕工事の進め方について教えてもらい、複数の施工会社から見積もりを取ることができました。
見積もりと工事内容を検討した結果、シニアマンションであるメデカマンション桂の入居者に最も適していると思われる、高齢者向けの“優しい大規模修繕工事”を提案してくれた建装工業さんに決定しました。

――どのような点を修繕工事の重視ポイントとして選定されましたか。

小林:初めての大規模修繕工事だったこともあり、具体的な要望は特に出していませんでしたが、入居者がシニア層ということで、なるべく入居者に負担・ストレスをかけずに工事を行って欲しいという要望はしました。そこが最も重視したポイントです。一般的なマンションとは異なることを事前にお伝えしましたが、建装工業さんは、よくその点を汲み取ってくれました。多くの入居者が1日のほとんどをマンション内で過ごしますので、それに配慮して資材運搬用のエレベーターを外部に設置していただいたり、入居者のつまづきによる転倒防止のため、作業スタッフ全員が靴用スリッパを着用する形などの対策を取っていただきました。通常の大規模修繕工事では、床にシートを敷いて養生する方法が一般的とのことでした。
メデカマンション桂
――“優しい大規模修繕工事”を実際に体験した感想などをお聞かせください。

小林:工事担当者の方に細かく工程説明をしていただき、その上で懸念事項もきちんと教えてくださいました。それだけでも優しさを感じましたが、入居者のことを考えて、音が小さい工具を使って騒音を抑えてくれたり、高齢者は健康上、適度に日に当たることが必要なことを踏まえ、マンションの外壁に添って組まれた足場を覆うメッシュシートを日差しが入るものに交換してくれたりと、さまざまな面で優しい大規模修繕工事を実感できました。
また工事前には、高齢者が自ら運ぶのは大変だということで、ベランダに置いてある物の移動なども手伝ってくれるなど、細かい心遣いを感じ、感動しました。
メデカマンション桂

人間味のある、あたたかい対応が印象的

――工事期間中での印象的な出来事がありましたらお聞かせください。

小林:さまざまな騒音対策をした上で、それでも発生してしまう多少の騒音まで気にしてくれたことに驚きました。少しでも気が晴れるように、エントランスホールに鯉のぼりや母の日のカーネーションを飾っていただいたり、工事の影響で庭園が見られなくなる大浴場・小浴場の窓に「富士山」「花畑」のお風呂ポスターを貼ってくれたりと、心のこもった対応をしていただいて、入居者はもちろん、訪問された家族やお孫さんなども喜んでいたのが印象的でしたね。
メデカマンション桂
――工事を終えて、入居者の皆様からは、なにかご意見などは寄せられていますか。

小林:大規模修繕工事をすれば、騒音や振動は付きもので、不平不満が出るのは当然だと思っていましたが、建装工業さんがさまざまな配慮をしていただいたおかげか、大きな不満、苦情はありませんでした。

むしろ、初めての大規模修繕工事ということもあり、マンションが足場に囲まれ、足場を人が歩く風景を楽しんでいる入居者さんが多かったです。
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――もし建装工業に依頼してよかったと思える点などがあればお聞かせください。

小林:音が小さいドリルを使ってくれたり、日差しが入るシートに交換してくれたりと物理的な優しい対応もありがたかったのですが、何より作業スタッフさん全員の対応が良かったです。入居者が高齢者ということもあり、作業されているスタッフの方に気軽に話しかけたり、質問したりすることもしばしばでしたが、全てのスタッフさんが嫌な顔一つせず、丁寧に答えてくれていました。その人間味のあるあたたかい対応に“優しい大規模修繕工事”を感じられ、建装工業さんに依頼してよかったと思いました。
メデカマンション桂
――今回の大規模修繕工事でマンションクリエイティブリフォーム賞を受賞されましたが、その感想と、今後のマンションの管理組合としての展望をお聞かせください。

小林:私たちは発注しただけで何もしていません。今回評価された“優しい大規模修繕工事”を提案し、実際に施工してくれたのは建装工業さんです。このような賞を受賞させていただいて、ただただ感謝しております。
この先、このマンションを維持していく上で、2回目の大規模修繕も行わなければいけません。その際には、建装工業さんにまたお願いしたいです。

――
東北初のライフサポート付きのシニアマンションとして注目されている「メデカマンション桂」にて行われた、入居されている高齢者の心身を第一に考えた“優しい大規模修繕工事”は、管理組合様や入居者様のご協力があって実現できました。「マンションクリエイティブリフォーム賞」も受賞するなど、今後の大規模修繕工事にも活かせる事例となりました。
ありがとうございました。

(2019年10月1日記事更新)

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