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マンション結露に悩むオーナー必見3つのポイント 

マンション 結露

1. 結露の原因と対策とは

一般的にマンションは断熱性や気密性が高いとされているため、冷暖房の効率がよく、年間を通して快適に暮らせると言われています。とは言え、寒い季節になると結露が気になるというマンション住人の方もいるのではないでしょうか?
実は戸建住宅よりマンションの方が結露の発生が多いと言われています、それは戸建住宅より窓が少なく空気の滞留も起きやすいからといわれています。
また、新築されたコンクリートはおよそ10年間水分を放出し、特に築後3年は放出量も多いと言われています。
結露は、外と家の中の気温差や換気不足によって起こります。結露を放置すると、カビやダニが発生する原因となり、住人の健康にも良くありませんし、内装材を傷めることにもなります。健康的で快適に暮らすためには、結露を防ぎたいものですね。そのためには断熱性を高め換気をよくすることが必要ですが、マンションのリフォームでは、次の3つがポイントになります。

・窓の断熱性を高める
・家中に風を通す
・調湿効果のある内装材を使う

では、これらのポイントについて少し詳しく見ていきましょう。
マンション 結露

2. 窓の断熱性を高めるには

断熱性にすぐれたマンションの専有部分の中でも、窓まわりは外との気温差の影響を受けやすく、結露が発生しやすい場所です。冬場、窓ガラスの表面にびっしりと水滴がつくというお宅も多いと思います。これは、暖房によって暖められた室内の空気中に含まれていた水蒸気が、外に面した冷たい窓ガラスに触れて水になることで起こる現象です。

窓ガラスを複層ガラスにするなど、窓の断熱性を高めれば、外気温の影響を抑えることができ、こうした結露の発生を比較的防ぐことができます。しかしながら、マンションの場合は少し注意が必要です。マンションの窓は共用部分となるので、管理規約などによりリフォームが制限されているのが一般的です。だからと言って、各専有部分のオーナーが窓ぎわの結露を防ぐためのリフォームができないというわけではありません。

そこで、おすすめなのが、既存の窓を変更することなく、その内側にもうひとつの窓(内窓)を取りつける方法です。内窓を設置すれば、既存の窓との間に空気の層ができることで断熱性が高まり、結露を抑えることができます。加えて、暖房の効率もよくなります。
マンション 結露

3. 家中に風を通そう

結露を防ぐには、換気をよくすることも大切です。マンションでは窓を大きくしたり増やしたりすることができません。そこで、窓から入ってくる外からの風を家中に通せるように工夫する必要があります。その方法のひとつが室内窓を作るものです。

例えば、室内壁や間取り変更のリフォームのときに、部屋と部屋、部屋と廊下の間仕切り壁に、窓を作ってはいかがでしょうか? 同じ空間に複数の窓がある場合、窓の位置に高低差がある方が風の通りがよいので、天井付近にランマ窓を作るのもおすすめです。ただし、このように壁に手を加える方法は、やや大がかりな工事になります。

これよりも手軽な方法としては、室内ドアや仕切り戸を、風を通すルーバータイプに変更する方法もあります。ルーバーとは、うすい長細い板をすき間を開けて横に重ねたものです。ルーバードアは、このルーバーを全面または部分的に取りつけたもので、よろい戸やガラリ戸とも呼ばれます。結露や湿気を防ぐためには、居室だけでなく、特に洗面所などの水回りや収納にも用いると効果的です。
マンション 結露

4. 調湿効果のある内装材とは

結露を抑えるには、壁や床・天井に湿度を吸収する調湿効果のある内装仕上げ材を使うのもおすすめです。
調湿効果のある壁や天井の仕上げ材としては、珪藻土やしっくいが有名ですが、こちらは左官(塗り)仕上げになります。一方、近年は、珪藻土を染み込ませたものや、ケナフなどの自然素材を使ったものなど、調湿タイプの壁紙も増えています。このほかに、杉の羽目板や調湿タイルを貼る方法もあります。

調湿効果のある床材には無垢のフローリング材がありますが、騒音防止の観点から使用できる床材が制限されているマンションもあるので、注意しましょう。手軽な方法として、ウール100%のカーペットを敷くだけでも調湿効果が得られるようです。

5. リフォーム以外での結露対策は

冬の間 石油ストーブやガスストーブを使っている方も多いと思います。
しかしそれらから発生する水分は意外に多いのです。
石油ストーブ等を使った後は室温が下がり飽和水蒸気量が減少し余剰水分が結露となるので、対策としてはストーブの使用後には必ず換気をすることを心掛けると良いでしょう。
また北面のお部屋では水分が発生しない電気ストーブやオイルヒーター、エアコンを使用するのも良いでしょう。
但し、お肌の乾燥やウイルス対策として適度な湿度も必要です。
一般的に湿度50%〜60%、室内温度20℃を保つとインフルエンザ予防になると言われています。

結露対策は以上の方法をいくつか組み合わせて行うのが効果的です。しかし、マンションによっては、規約や構造などの条件により使用できない方法もあるので、リフォームの際は自宅の状況をよく把握した上で設計者と相談して進めるようにしてくださいね。


《この記事のライター》
舘林 匠
北海道出身 飛行機の整備士を目指し、日本航空学園千歳校を卒業後なぜか建築の道へ。
一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士、宅建士をはじめ25の資格を有し、
バイク、ダイビング、DIY、料理など多趣味でちょっと飽きやすい性格。
最近はドローンにはまりプライベート機を3機保有している。
KENSO Magazine編集長 兼 ライター

(2018年12月3日記事更新)

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