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ベランダを花いっぱいに! コスパ・タイパ抜群のマリーゴールドの種まきに挑戦〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜

ベランダ ガーデニング

マンションでも楽しめるベランダガーデニングを紹介するシリーズです。今回はベランダでも簡単に育てられるマリーゴールドの種まきのやり方や増やし方、栽培のコツを初心者も安心して始められるよう、分かりやすく紹介します。

☆マンションでベランダガーデニングを始める前のチェックポイント
・ベランダは共用部!:マンションのベランダは火災などの緊急時に避難経路となる「共用部」です。避難の妨げにならないようにしましょう!
・大規模修繕に備えて:大規模修繕工事の際は、ベランダの植物や物を全て撤去する必要があります。片付けが大変にならないよう、無理のない範囲で楽しみましょう!
※より詳しい内容はこちらの記事を参照ください。
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意

目次
1. マンションのベランダを彩る「マリーゴールド」! その魅力と増やし方
2. 忙しくても大丈夫! マリーゴールドの種まきに挑戦してみよう!
3. すくすく育ったマリーゴールドの苗をプランターに植え付けよう!
4. 「挿し木(挿し芽)」でもっと増やそう! マリーゴールドのコスパの秘密
5. 「ポット苗」で時短! ベランダガーデニングをもっと手軽に
6. ベランダ菜園ではマリーゴールドのコンパニオンプランツ効果は期待できない?
7. マリーゴールドを増やした後の育て方 ベランダガーデニングの注意点とは

マンションのベランダを彩る「マリーゴールド」! その魅力と増やし方

鮮やかな黄色やオレンジ色のビタミンカラーが目をひく「マリーゴールド」。見ているだけで気持ちが明るくなります。以前このシリーズで取り上げた際も、読者の皆様から大変好評をいただきました。実はこのマリーゴールド、驚くほどコスパ(コストパフォーマンス)・タイパ(タイムパフォーマンス)が良い植物だということをご存じでしたか?

今回は、マリーゴールドをさらに賢く楽しむための「増やし方」にも焦点を当ててご紹介します。マリーゴールドは、「種まき」や「挿し木(挿し芽)」、そして「ポット苗」を購入して株を分けるなど、さまざまな方法で増やすことができます。マリーゴールドをどんどん増やして、ベランダを花でいっぱいにすることもできるはずです。

忙しくても大丈夫! マリーゴールドの種まきに挑戦してみよう!

マンション マリーゴールド 種まき

マリーゴールドを増やす第一歩として、まずは「種まき」に挑戦してみましょう! マリーゴールドの種は「アフリカン種」と小ぶりな「フレンチ種」がありますが、どちらも種子が30粒前後入った小袋が200〜300円程度と、お財布に優しいのが魅力です。100円均一ショップでも手に入ることもあるので、初心者でも気軽に始めやすくおすすめです。

●種まきの際に準備するもの
マリーゴールド種子のほか、9cmポリポットや種苗トレー、市販の種まき用土、水を張る容器、霧吹きを用意します。

●種まきに適した時期
春まきは3〜5月、遅まきだと6〜7月が適しており、冬に加温栽培して翌年咲かせるなら10月まで種まきが可能です。

●開花時期
春まきは6〜10月、遅まきは9〜11月に開花し、暖かい地域では12月まで咲くこともあります。

●種まきのやり方
①ポリポットや種苗トレーに種まき用土を8割ほど入れます。種まき用土は乾燥していると水が浸み込みにくいため、前日までにしっかり水に浸して湿らせておきます。

②マリーゴールドの種子を、ポリポットなら3〜5粒ずつ、種苗トレーなら2列の筋まきにします。

③種をまいたら、あらかじめ湿らせておいた土を5mmほどかぶせ、風通しのよい半日陰の場所に置いてください。乾燥させないよう、発芽するまでは日なたに出すのは厳禁です。

④こまめに霧吹きして用土をしっかり湿らせ、発芽を待ちます。水圧が強すぎると種が飛ぶので優しく水やりをしてください。
※「時間がない!」という方は、朝夕のみ霧吹きをして、底穴のない容器に水を張り、ポットやトレーの下に置いて底面給水させる方法もおすすめです。表面の乾燥を防ぐため、湿らせた新聞紙をかぶせてラップをかけておいてもよいでしょう。底面給水の水は不衛生にならないよう、毎日交換してください。

⑤発芽に適した気温(20〜25℃)であれば、約1週間で発芽します。発芽したらすぐに日当たりのよい場所に移動させ、新聞紙とラップは取り除き、底面給水もやめましょう。発芽後は根腐れを防ぐために、水やりは1日1回、乾燥しているときでも朝夕2回で十分です。

すくすく育ったマリーゴールドの苗をプランターに植え付けよう!

マンション マリーゴールド 栽培

発芽から1ケ月ほど経ち本葉が4〜5枚になったら、いよいよプランターへの「定植」です。小苗は寒さに弱いので、遅霜が下りなくなった頃が植え付け時期の目安です。

本葉が3〜4枚になったら9cmポットに1本ずつ植え替える「ポット上げ」もあります。マリーゴールドは丈夫な植物なので、今回は時間と労力を省くためポット上げせず直接植え付ける方法を紹介します。園芸店で購入したポット苗を植える際も、同じ手順で作業をします。

●植え付けの際に準備するもの
マリーゴールド苗、市販の花の培養土、プランター、化成肥料や液体肥料を用意します。培養土は生育を促す「元肥(もとごえ)」と呼ばれる肥料が配合されたものを選び、プランターの大きさは1株につき20cm四方が目安です。

●植え付けのやり方
①プランターに培養土を7割ほど入れたら、苗を植える前に水で湿らせておきましょう。

②葉を傷つけないよう、人差し指と中指の間に苗を挟むようにしてひっくり返し、優しくポットから抜き取ります。根をなるべく崩さないように、プランターに植え付けてください。植え付け間隔は、フレンチ種で20cm、アフリカン種で30cmほど空けるのが理想的です。

③小さな苗は、茎の第1節まで土に埋めるように少し深めに植えると、茎からも根が生え、丈夫に育ちます。一方、大きな苗は深植えになりすぎないように注意しましょう。

④植え付けたら土をかぶせ、動かないよう株元の土をしっかりと手で押さえ付けます。

⑤植え付けから2週間ほど経ち、同じところから数本の苗が生えている場合は、一番丈夫な1本を残して間引きます。健康そうな株は、別のプランターに植え替えてもよいでしょう。

⑥マリーゴールドが生長して最初につぼみができた頃、先のほうを摘み取る「摘芯」という作業を行います。これは「花茎切り」とも呼ばれ、脇芽を増やしてこんもりとボリュームのある株にし、たくさんの花を咲かせることが目的です。下から5〜6枚目の葉の付け根でカットします。このときカットした茎は、挿し木(挿し芽)としても活用できます。

「挿し木(挿し芽)」でもっと増やそう! マリーゴールドのコスパの秘密

マリーゴールド 増やし方

正確には「挿し芽」と呼びますが、ここでは「挿し木」という呼び方で統一します。マリーゴールドは花が咲いている期間が長いため、挿し木をしてもシーズン中に再び花を楽しむことができます。さらに、剪定のたびに挿し木をすれば、マリーゴールドがどんどん増えるので、ますますコスパが良くなります。

●挿し木の際に準備するもの
挿し木(挿し芽)、ポリポットや種苗トレー、挿し木の土か鹿沼土小粒、割りばし、霧吹きを用意します。土は事前に湿らせておきます。

●挿し木に適した時期
いつでもできますが、5〜6月が適期です。春まき苗の最初の摘芯の時期が、挿し木の成功率が上がるといわれる梅雨の時期と重なるので、ちょうどよいタイミングです。

●挿し木のやり方
①挿し木は5〜10cmの長さで剪定します。花をカットして下葉を2〜3枚取り除いたらすぐに水につけ、2時間ほどたったら植え付けます。水分の蒸散を防ぐため、すべての葉を半分くらいのところで切り落としておきます。

②ポットやトレーに事前に湿らせておいた土を入れ、割りばしで穴を開けて挿し木を傷めないように優しく挿します。土を寄せて手でしっかり押さえてください。

③直射日光は厳禁です。半日陰のところに置いて、水を切らさないよう霧吹きで水やりします。

④約2週間たったら、1つ抜いて根が生え始めたかどうか確認します。まだ生えていなければ後日改めて確かめます。根がしっかり生え始めたら日なたに移動し、ポット上げして1ケ月ほどで定植します。

「ポット苗」で時短! ベランダガーデニングをもっと手軽に

種まきは「時間がないし、ちょっと面倒…」と感じる方のために、購入したポット苗からマリーゴールドを増やす方法をご紹介します。
園芸店で売られているポット苗の中には、3〜4本の苗が一緒に植わっているものもあります。ぜひ、株元をじっくり見てみてください。健康そうな苗がたくさん植わっていたら、それはお値段以上のお買い得品。苗で購入すれば、種まきよりも時短になり、早く挿し木で増やすこともできるので、コスパだけでなくタイパも優れています。

●ポット苗の分け方
ポットから優しく苗を抜いて、用土を軽くほぐして1本ずつにして植え付けます。購入した時点である程度苗が育っているので、プランターに花の培養土を入れて直接植えても大丈夫です。
苗が大きければ摘芯を行い、切った茎を挿し木にしてどんどん増やしていきましょう。

ベランダ菜園ではマリーゴールドのコンパニオンプランツ効果は期待できない?

マンション マリーゴールド 栽培

マリーゴールドは、一緒に植えた野菜の成長を促す「コンパニオンプランツ」として知られていますが、マンションのベランダ園芸ではあまり期待できないかもしれません。

「葉の爽やかな香りでハダニやアブラムシを寄せ付けない」といわれることもありますが、マリーゴールド自体にも虫が付く可能性はあります。そのため、「ベランダでも混植すれば野菜を無農薬で育てられる」と過度に期待をするのは難しいでしょう。

また、マリーゴールドの根から出る「α-ターチエニール」という成分が、土中に潜むセンチュウを忌避することが認められています。これは主に畑や土植えで土を使いまわす場合に効果を発揮します。ベランダガーデニングの家庭菜園では、新しい培養土を使うケースが多いため、残念ながら恩恵はあまりないといえそうです。

むしろ、狭いプランターの中に野菜とマリーゴールドを一緒に植えすぎると、メインの野菜の根が十分に育たず、味が落ちたり収穫量が減ったり、最悪の場合、枯れてしまうリスクが考えられます。マリーゴールドと野菜は鉢を分けて育てたほうが賢い選択といえます。

マリーゴールドを増やした後の育て方 ベランダガーデニングの注意点とは

●適している環境
マリーゴールドは日照を好む植物です。種まきして発芽する前と、挿し木をして根が出るまでは直射日光は厳禁で、半日陰で管理する必要がありますが、それ以外は日当たりのよいところで育てましょう。

●用土
水はけがよく酸度調整され、元肥が入った市販の花の培養土を使うと便利です。種まき用土や挿し木の土には肥料分が含まれていないので、必ず培養土に植え替えましょう。

●水やり
生長した苗の水やりは1日1回、真夏なら1日2回、朝夕の涼しい時間帯に行います。雨が降って土に十分水が浸透しているときには水やりは不要です。

●肥料
マリーゴールドは花期が長いので、肥料をあげたほうがよく咲きます。「置き肥」といって、化成肥料を月1回土の上に置く形で与えます。さらに2週間に1回程度、規定量に薄めた液体肥料を加えるとよいでしょう。

●病害虫対策
マリーゴールドをベランダガーデニングで育てるときに、特に注意してほしいのがハダニの被害です。屋根があり雨が当たりにくいベランダは乾燥しがちで、ハダニが好む環境なので、見つけたら市販の殺虫剤をまいて駆除してください。

■あわせてお読みください。
マリーゴールドの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
ハイビスカスの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
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■この記事のライター
□熊谷皇(くまがいこう)
国立大学法人 鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境工学(温熱環境、省エネルギー)。国土交通省住宅の省エネ基準検討WG委員、日本産業規格JIS A 9521(2017)技術コンサル、建築環境省エネルギー機構(IBEC)・日本建築センター(BCJ)・職業能力開発総合大学校の講師を歴任。日本建築ドローン協会(JADA)WG委員。

(2025年7月14日新規掲載)
*本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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