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一目でわかる!ガーデニング用語集(初級編・その2) 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜

園芸 用語

いまさら聞けないガーデニング用語が一目でわかるシリーズ。第二弾は、ベランダ園芸でも使用される園芸道具や、植え付けに使う培養土資材の用語集です。初心者にとっても分かりやすいよう、簡潔に解説しました。知っている資材や知らない資材がいくつあるでしょうか。

☆マンションでベランダガーデニングをするときの注意点
・マンションのベランダはあくまで「共用部」であることを忘れずに!
・大規模修繕工事の際はすべてを撤去する必要があるため、片付けが嫌な方は小規模なものにとどめておきましょう。
※詳しくは下記の記事も参照
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意

目次
1.園芸資材(道具など)の用語
2.園芸資材(培養土など)の用語

園芸資材(道具など)の用語

ベランダガーデニングで鉢植えにする際にも使われる、園芸道具に関する基本的な用語を見てみましょう。ハサミや植木鉢など、園芸の道具はたくさんあり、お値段も100円ショップにあるものから、職人手作りの数万円するもの、国産や輸入品などピンからキリまであり、こだわり始めると、ついついたくさん揃えたくなってしまいます。

●植木鉢・植え付け容器

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プランター(ぷらんたー)…植木鉢全般を指す言葉。一般的に「プランター」というと、野菜や草花をいくつか植えられる横長の、プラスチックや陶器製のコンテナを指すことが多い。丸型のプランターもある。

素焼き鉢(すやきはち)…釉薬を塗らずに700〜800℃で焼いた土器のこと。通気性がよいので、蘭など根腐れしやすい植物に向く。ただし、通気性がよいぶん吸湿しやすく、水分の凍結により割れやすいので注意。

テラコッタ鉢(てらこったはち)…素焼きの土器を指すイタリア語。日本でいう「素焼き鉢」とは違い、洋風でおしゃれなデザインが多い。高温で焼成するため丈夫。素焼き鉢よりもやや通気性は悪い。

駄温鉢(だおんばち)…素焼鉢よりも高温の1000℃ほどで焼いた赤茶色の土器。丈夫で、素焼き鉢よりも水分保持力があり、プラスチックよりも通気性がよい。鉢の上部にのみ釉薬が塗られつるつるしている。

ポリポット(ぽりぽっと)…別名ビニールポット。発芽後に最初に植え付け、定植するまで一時的に使用することが多い鉢。軽量で安価なので、大量に苗を栽培する場合に向く。

吊り鉢(つりばち)…鉢に紐やフックなどがついていて、ぶら下げられる鉢。こんもり茂る草花や、しだれるように伸びる植物を植えて、壁や柱に吊り下げて飾る。

種苗トレー(しゅびょうとれー)…種まきや挿し木などで沢山苗を作りたい時に使用する浅い角型のトレー鉢。蒔き鉢やシードバンなどともいう。

●土耕用具

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シャベル(しゃべる)…土や砂利をすくって移動させる道具で、JIS規格では、上部が平らで足をかけて掘れるもののことを「シャベル(ショベル)」という。

スコップ(すこっぷ)…土や砂利をすくって移動させる道具で、JIS規格では、上部が曲線で足をかけられないものを「スコップ」という。しかし一般的にはシャベルもスコップも区別はない。

移植ゴテ(いしょくごて)…土をほぐしたり、鉢に土を入れたりする道具。一般的にシャベルやスコップとも呼ばれるが、片手で使えるサイズで、足をかけて使わないものは「移植ゴテ」である。

土入れ(つちいれ)…筒状の容器を斜めに切ったような形をしたハンディサイズの道具。小さな鉢や鉢植えの仕上げに土を入れるときに使用。土入れスコップとも呼ばれ、大中小セットで売られていることが多い。

●刃物

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園芸ハサミ(えんげいばさみ)…茎や葉を切る道具。工作用のはさみで代用できなくもないが、植物専用のハサミは切れ味が格段に良く、植物への負担も少ないのでひとつは持っておくとよい。

剪定ハサミ(せんていばさみ)…バラなどの太い茎や、小ぶりな枝などを切るための道具。軽い力でスパッと切れる。工具のペンチやケーブルカッターに似ている。

電動バリカン(でんどうばりかん)…芝生やグランドカバー、トピアリーなどを刈りこむときに使用する電動工具。鉢植えではあまり使用しないが、玄関先などちょっとしたスペースの雑草を刈りたいときにも有効。

鎌(かま)…三日月形の刃が付いた、草を刈るための道具。手前に引いて刈り取るように、内側に刃が付いている。

園芸ナイフ(えんげいないふ)…茎を切ることに特化した、ガーデニングで使用するためのナイフ。小刀タイプや折り畳み式などがあり、切り花用、接ぎ木用などが販売されている。

●散水・散布用具

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【自動散水機を設置しているところ】

ジョウロ(じょうろ)…水を入れる容器に取っ手と細長い管状の注ぎ口が付いた散水のための用具。先端にハス口をつけると、植物に水が柔らかく当たり、用土に満遍なく水やりできる。

散水ホース(さんすいほーす)…ホースの先にシャワーなどの機能が付いた散水ノズルを取り付けたもの。水道に直接つなげて水やりできるので、庭など広範囲の散水に向く。比較的狭いベランダでは、隣戸や手すりの外に水が飛散してしまう恐れがあるため、特に晴れた日に使用する場合は注意。

霧吹き(きりふき)…水を細かい粒子にして吹き付けられるスプレー容器のこと。極小の種子に水やりするときや、観葉植物などの葉面に湿度を与えたいときに使用する。また、殺菌殺虫剤を噴霧するときにも使用する。

噴霧器(ふんむき)…庭や植木、ベランダなど広範囲に薬剤などを吹き付けたいときに使用する。手で持つタイプや背負うタイプ、手動のほかに電動のものもある。

自動水やり機(じどうみずやりき)…自動散水機、園芸用スプリンクラーのこと。ベランダ園芸では、一鉢ごとにノズルを差して、タイマーで自動的に水やりできるものもがよく使われる。長期の旅行や、多忙で水やりできない時におすすめ。

●小道具類

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【ラティスフェンス】

篩(ふるい)…培養土を作る時に、用土に含まれる「微塵(みじん:用土が砕けて出る粉末)を振るい落とすのに使用する。篩にかけると用土の水はけがよくなる。

支柱(しちゅう)…植物を支えるために鉢に挿す棒状の用具。草丈が高く風雨で倒れそうな植物や、トマトなど重たい実がなるもの、つるを伸ばす植物に使用する。

寒冷紗(かんれいしゃ)…植物を保護するために覆う、布やネット。網目になっているので上から水やりができ、ほどよく風を通すので通気性に優れる。夏の直射日光を和らげる黒色や、保温効果があり霜よけができる白色、防虫効果も期待できるシルバーなど、用途に合わせてカラーを選ぶとよい。

格子状のフェンス(こうしじょうのふぇんす)…木製やアイアン製などの格子状のフェンスは「ラティス」や「トレリス」「ウッドフェンス」「アイアンフェンス」などと呼ばれる。ガーデンエクステリアとして、つる性植物を絡ませたり、パーティションにしたり、目隠しにも使われる。

園芸資材(培養土など)の用語

「植物を植える土」と一言で言っても様々な種類が市販されていて、初心者だと何をどう使うべきか迷ってしまいます。最初は何が適しているのか分からないかもしれませんが、失敗や成功を繰り返して経験を積むうちに、自宅の環境に合ったオリジナルの培養土が完成するようです。まずは市販の「花と野菜の培養土」を購入して、様子を見て、色々な土を足し算引き算していくとよいでしょう。

●天然用土

園芸 用語

赤玉土(あかだまつち)…関東地方に分布する粘土質の赤土を乾燥させて、ふるいにかけたもの。保水性や保肥力に優れるが、水はけは普通。粒のサイズも豊富で、安価で使いやすいので、培養土のメインに使われる。

鹿沼土(かぬまつち)…栃木県鹿沼市付近の赤土の下から採掘される、淡い黄色をした軽石状の火山灰土。有機物を含まず無菌で、酸性なのが特徴。通気性と保水性に優れ、挿し木の土によく使われる。

川砂(かわすな)…河川の浸水で花崗岩などが削られ、粘土質が流されて風化した砂。有機物を含まず無菌。川の上流のものが園芸用に販売される。水はけをよくしたいときに使用されるため、保水性とともに保肥力もほぼない。

山砂(やますな)…火山帯で採取できる軽石。火山砂礫が堆積し風化してできた「ボラ土」「桐生砂」などは保水性、保肥力があるが、風化しないで堆積した「富士砂」などは保水性や保肥力に劣るが、水はけが良く、根腐れ防止や化粧砂として使われる。

●植物性用土

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【コチョウランの水苔植え】

腐葉土(ふようど)…広葉樹の落ち葉を集めて発酵させたもので、土壌改良材の優等生。水はけと水持ちがよくなり、微生物の棲み家にもなる。赤玉土7に対し腐葉土を3混ぜたものが基本の培養土としてよく使われる。

ピートモス(ぴーともす)…寒冷地の湿地帯に生育する水苔が堆積したもの。保肥力、保水力に優れる。酸性なので、ブルーベリーなど酸性を好む植物に使われる。(酸度調整済みの商品も市販されている)

水苔(みずごけ)…湿原に生息する水苔を乾燥させたもの。葉は枯れて黄褐色をしていて、貯水力があるため、湿らせると水持ちがとてもよい。太くて長いものが良質な水苔。蘭などの用土に使われる。

●人工用土

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【ロックウールの種まき発芽】

パーライト(ぱーらいと)…真珠岩や黒曜石などガラス質の石を焼いて発泡させたもので、とても軽量。水はけが良く通気性に優れる。微生物を増やし、土壌を改善する効果もある。

バーミキュライト(ばーみきょらいと)…雲母という鉱物が風化してできた土。急激に熱すると蛭のように膨張するところから、別名「蛭石(ひるいし)」と呼ばれる。保水性、保肥力、通気性に優れ、無菌で衛生的なので挿し木の用土にも使われる。

発泡煉石(はっぽうれんせき)…粘土を小さく丸めて焼成し、発泡させたもの。高温で焼くため、硬く崩れにくく、無菌。ハイドロカルチャーなど水耕栽培に使われる。

ロックウール(ろっくうーる)…鉄などの製造時に出る残渣(ざんさ)を溶融して、繊維にしたもの。一時的にスポンジのように水を含むが、排水性もよい。種まきや挿し木など苗栽培によく使われる。

●堆肥

園芸 用語

【鶏糞堆肥】

牛糞堆肥(ぎゅうふんたいひ)…牛の糞におがくずやワラを混ぜて、堆積発酵させたもの。鶏や豚の糞より肥料効果は劣るが、土壌改善効果は高い。

豚糞堆肥(とんぷんたいひ)…豚の糞におがくずやワラを混ぜて、堆積発酵させたもの。牛糞より肥料効果が高く、即効性がある。銅や亜鉛が含まれる。

鶏糞堆肥(けいふんたいひ)…ニワトリの糞におがくずやワラを混ぜて、堆積発酵させたもの。家畜糞の中では一番肥料効果が高く、化学肥料と同じような使い方ができるが、過剰施肥に注意。

馬糞堆肥(ばふんたいひ)…馬の糞におがくずやワラを混ぜて、堆積発酵させたもの。市販される家畜糞堆肥の中では肥料効果がマイルドで、初心者でも使いやすい。

バーク堆肥(ばーくたいひ)…樹皮やおがくず、剪定枝などを粉砕し、発酵させたもの。土壌改良効果が期待できる。園芸用は、植物に有害なアクなどを洗い流し、牛糞を混ぜたものも市販される。

●土壌改良材

園芸 用語

※画像は粘土鉱物のイメージです。以下で紹介する土壌改良材ではありません。

ゼオライト(ぜおらいと)…粘土鉱物の一種。多孔質構造で、ミクロサイズの穴が多数空いているので、保水性、保肥力、通気性に富み、根の育成や水質の浄化などの効果がある。園芸以外ではペットのトイレの脱臭にも使われる。

もみがら燻炭(もみがらくんたん)…もみがらを蒸し焼きにして炭化させたもの。無数の細孔があるため、保水性・通気性が高く、微生物の棲み家にもなり土壌改良効果が期待できる。アルカリ性なので酸性土壌の中和にも使われる。

珪酸塩白土(けいさんえんはくど)…秋田県の八沢木地区で採掘される白い粘土鉱物。イオン交換作用を持ち、雑菌や有害物質を吸着し、ミネラルなど保放出する。水質の浄化や根腐れ防止、連作障害抑制にも効果がある。

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■この記事のライター
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2023年5月8日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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