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インテリアのアクセントに。多肉植物やフィギュアも入れて寄せ植え。自分だけの苔テラリウム作りのポイント

苔テラリウム

マンションの玄関やテレビボードなど、いつも目に触れるけれど殺風景な場所に置くだけで潤いのあるスペースへと変化するアイテム、それが苔テラリウムです。数種類の苔と組み合わせるのは定番ですが、苔選びのコツをつかめば多肉植物との寄せ植えも楽しむことができます。苔テラリウムの小さな世界に小さなフィギュアを置いて飾れば、自分だけのテラリウムへ……。今回は、魅力ある苔テラリウムについてご紹介します。

目次
1. 苔テラリウムとは
2. 苔の種類と選び方、多肉植物との寄せ植えにおすすめの苔
3. ガラスの中の苔とフィギュア、小さな世界に惹かれる理由
4. 【初心者向け】苔テラリウム管理のポイント

苔テラリウムとは

「テラリウム」とは造語で、深めのガラス容器の中で植物を育てることを指している言葉です。したがって、「苔テラリウム」とはガラス容器に苔を植えて楽しむことをいいます。かつてはミニサイズの観葉植物やシダ植物などをガラス容器に植えたものが流行りました。苔はある程度の湿度を保つことが必要なため、蓋を開閉し湿度の調整が自由にできる容器を使用します。最近では、高い湿度を保つ必要がない植物を選択することで、インテリア性を重視した蓋のないオシャレなガラス容器も使われるようになりました。

ガラス容器のタイプも様々で、置き型・吊り下げ型・壁掛けなど自由度が高いため、インテリアに合った配置が可能です。ガラス容器の口が狭いものは見た目が洗練されていますが、初心者の方には口の広い容器が植えやすいのでおすすめです。また、器やお手入れに必要な道具などがセットになった商品も数多く販売されているので、そのようなキットを利用して始めてみるのもよいでしょう。

苔の種類と選び方、多肉植物との寄せ植えにおすすめの苔

苔テラリウム

まず材料となる苔について、ある程度の知識が必要です。一般的に苔は日陰で育つイメージがある植物ですが、苔にもたくさんの種類があります。強い光や明るい半日陰など、日照が得られる環境を好むものもありますので、作った作品をどのような環境に置いて管理するかを考え、苔の種類を選ぶとよいでしょう。苔テラリウム作りの成功のカギは、「日照量」と「湿度」です。同じ環境を好む苔を組み合わせて植える必要があります。

ブームもあって非常に多くの種類の苔が手に入りやすくなりましたが、初心者におすすめの種類としては、強い光を好み、乾燥にも強い「スナゴケ」と「ハイゴケ」です。これらを使うと、苔だけではなく一般的に乾燥を好む多肉植物も一緒に植えることができます。また、「スギゴケ」もやや強い光や乾燥したところでも問題がないため、陽のよく当たる窓辺などに置くことができます。
反対に、陽の全く当たらない明るい日陰に置く場合は、「タチゴケ」や「コツボゴケ」などを選ぶとよいでしょう。

ガラスの中の苔とフィギュア、小さな世界に惹かれる理由

苔テラリウム

かつて、盆栽の株元に小さなフィギュアをあしらう「マン盆栽」というものが流行りましたが、それと同じ考え方で、苔の中に小さなフィギュアなどを配置し、ジオラマのような物語をつくることができるのも苔テラリウムの魅力です。

「ヒノキゴケ」や「ホウオウゴケ」など高さのある苔を高い木に、「タマゴケ」や「ムチゴケ」など丈の低い苔を草原に見立てるなど想像を膨らませ、カプセルトイやお気に入りのフィギュア、流木、石、貝殻など様々なアイテムと組み合わせて、自分だけの世界観を創り出すことができます。

【初心者向け】苔テラリウム管理のポイント

苔テラリウム

苔といえども植物ですから、ある程度の管理は必要です。苔の種類と選び方でも触れましたが、「日照量」と「湿度」がポイントです。基本的には同じ環境を好む苔を寄せ植えにしますので一律の管理で構いませんが、湿度を好む苔には密閉できる容器を選んで蓋をしておくとよいでしょう。その場合は2週間に1度の霧吹きで十分です。蓋のない通気性のある容器であれば、1週間に1度を目安に霧吹きで水を与えます。

環境が悪くなると密に茂っている苔の一部が黒く変色するなどし、ひどい場合は枯死することがあります。植えた時の状態をよく観察しておいて、それよりも黒く変色している場合には、なるべく早く変色や枯死した部分を取り除く必要があります。そのままにしておくと苔全体が変色して枯死する場合がありますので、見つけ次第ピンセットなどでつまんで除去しましょう。

言葉で説明することは簡単ですが、生き物ゆえに決まったマニュアルなどはありません。季節や苔を植える密度、生長、容器の大きさなどによって、乾く頻度も異なれば管理の頻度も異なります。最後は管理する人の手にかかってきますから、苔の状態をよく観察し、経験から学んでいくのが一番確かな方法です。

テラリウムをインテリアとして楽しむコツは、「植物を育てている」という意識を持って取り扱うことです。もし枯らしてしまったとしても、原因を考え、再び挑戦してみることが大切です。私たちは何事も失敗から学ぶことで成長につながりますが、それは植物を育てる時も同じです。「日照量」と「湿度」がポイントになりますので、経験を重ねることで植物からのメッセージを読み取ることができるようになります。
たくさんの経験を積むためにも、まずは最初の1作品を作ってみましょう。

■あわせてお読みください。
・ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意
・マンションでも手軽に楽しめるドライフラワーの作り方〜適した花や飾り方、ハーバリウムの作り方まで〜
・カーテンだけじゃない? マンションの窓まわりを彩る窓装飾リフォーム


■この記事のライター
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2023年1月16日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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