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今、何ができる? 管理組合のコロナウイルス感染防止対策 アルコール消毒の手荒れにも注意

管理組合 コロナ
まだまだ長引くことが予想される新型コロナウイルスの感染流行。ワクチンや特効薬の実用化が待たれるなか、あらゆる場面で感染防止の対策が推奨されています。
コロナウイルス感染防止対策には予防のための換気や手や指の消毒をはじめとして、さまざまな取り組みが含まれますが、集合住宅であるマンションでは、管理組合が中心となってコロナウイルス感染防止対策をしていくことが求められます。
マンションはそこに居住する多くの住人の生活の場であることに加え、住人以外の人の出入りも意外と多いものです。そのため、さまざまな人が行き交う共用部分はしっかりとコロナウイルス感染防止対策をしていきましょう。また、コロナウイルス感染防止につながる生活ルールやマナーを住人に周知することも大切です。今回は、マンションで行うべきコロナウイルス感染防止対策についてご紹介します。

目次
1.重要になる共用部分のコロナウイルス感染防止対策
2.あらためてゴミ出しルールの徹底を
3.手洗い・アルコール消毒は手荒れに注意
4.住人への周知徹底のための情報提供を

1. 重要になる共用部分のコロナウイルス感染防止対策

管理組合 コロナ
マンションの共用部分は、エントランス、エレベーター、階段、廊下などから構成されています。住人および来訪者の出入りの際に外部からウイルスを持ち込まないために、共用部分で行って頂きたいことは次のとおりです。

<清掃や消毒について>
・エントランスなどに手指消毒用の消毒液を設置する。
・換気設備を十分に活用する。
・ドアや窓を開けた換気をこまめに行う。
・通常の清掃に加えて、ドアノブ、手すり、オートロックやエレベーターの押しボタンなど、不特定多数の人が触れる部分は頻繁に消毒する。

※ただし、建材や設備の材質・構造によっては、使用できる消毒液の種類が限られ、間違った方法で消毒すると故障や劣化につながる恐れがあります。事前に、設備や建材メーカーのホームページや取扱説明書などで適切な消毒の方法を確認することをお勧めします。

<行動について>
共用部分では住人や来訪者に次のことを注意喚起しましょう。
・マスクを着用する。
・密にならないよう、人と人との間隔を十分に取る。
・エレベーター内では、なるべく会話しないようにする。

2. あらためてゴミ出しルールの徹底を

管理組合 コロナ
各住戸内は住人のプライベート空間ですから、それぞれの住人が対策をしますが、各住戸からの家庭ゴミの出し方については、あらためてマンション全体でルールを周知徹底することが大切です。自治体の分別・収集ルールに加え、次のことに注意してください。

・ゴミの散乱を防ぐために、ゴミ袋の口はしっかりとしばる。
・収集中の破裂を防ぐために、ゴミ袋の空気を抜いておく。
・生ゴミは水切りして量を減らす、また、家で食事をする機会が増えていることから食べ切れる量の食材を購入するなど、ゴミを減らす工夫をする。

また、コロナウイルスに限らず、なんらかの感染症にかかっている、もしくはその疑いのある人の使用済みティッシュペーパーやマスクの処理については、次の通りです。

・ゴミ袋をゴミ箱にかぶせ、ゴミがいっぱいになる前に出す。
・直接ゴミに触らないようにし、ゴミ袋の空気を抜いてきつくしばる。もし、袋が破れていたり、袋の表側にゴミが触れた場合は、ゴミ袋を二重にする。
・資源物であっても、感染源になり得るゴミの分別方法は地元の自治体に確認する。
・ゴミを捨てた後は、石けんを使用し流水で手をよく洗う。

万一、マンション住人に感染者が出た場合は、理事会および管理組合で把握し、対応する必要があります。詳しくは、下記記事をご参照ください。

新型コロナウイルス マンション内で感染者が出てしまったらすること

3. 手洗い・アルコール消毒は手荒れに注意

管理組合 コロナ
コロナウイルス感染防止対策には手洗い・アルコール消毒がとても重要ですが、過剰にしすぎると手荒れを起こす原因になります。手荒れを起こしてしまうと、手にウイルスが残りやすい状態になり、逆効果になってしまう可能性もあります。
手荒れが起きる主な原因は、手を洗った後や消毒後に水分が蒸発する際、角質層の水分も同時に奪われてしまい、乾燥することで角質層がダメージを受けているからです。
手荒れを防ぐには、手洗い・消毒後に毎回保湿をすることが大切です。常にハンドクリームなどの保湿剤を持ち歩いて、手洗い・消毒のあとは保湿をするようにしましょう。

<手荒れを防ぐための手洗い・消毒方法>
(1) 正しい方法で手洗い・消毒を行う(手洗いをした場合、さらに消毒する必要はありません)。
正しい手指消毒・手洗い(出典:辻明良『微生物学・感染制御学』メヂカルフレンド社/厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000501122.pdf
(2)手洗い後は水分をよく拭き取る。
(3)手洗い、アルコール消毒後は必ずハンドクリームなどによる保湿も行う。

4. 住人への周知徹底のための情報提供を

マンション内でクラスターを出さないためにも、住人への周知徹底のための情報提供も管理組合の重要な役割のひとつです。
たとえばゴミ出しのルールをあらためて徹底することもコロナウイルス感染防止対策に役立つでしょう。
必要と思われる情報は随時掲示板に掲示したり、各戸に配布するなどして、きめ細かく周知を図っていくことが大切ではないでしょうか。


■あわせてお読みください。
1. 新型コロナウイルス マンション内で感染者が出てしまったらすること
2. 緊急事態宣言延長決定…マンションの総会は開催できるの?
3. 自粛期間中  ベランダを工夫して、おうち時間を楽しもう
4. マンションでの正しい換気の方法は?
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《この記事のライター》
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。

(2021年1月12日記事更新)

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