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熱中症はマンションの室内でも起きる! 夜間も要注意の熱中症対応策

熱中症
暑い季節に注意したいのが熱中症です。熱中症は昼間の屋外で発症するものというイメージが強いですが、実は夜間のマンション室内でも起こり得ます。

そこで今回はマンション室内で熱中症にならないための対策法、熱中症になってしまったときの対処法などについて紹介します。真夏の室内の温度上昇を抑え、快適なマンションライフを送りたいという方も参考にしてみてください。

目次
1. 意外と多い、マンション室内での熱中症
2. 熱中症対策をしよう
3. それでも熱中症になってしまったときの対処法

1. 意外と多い、マンション室内での熱中症

体内に溜まりすぎた熱によって引き起こされるのが熱中症の症状です。高すぎる温度により、人に備わっている体温調節の機能が乱れる、水分が不足するなどが熱中症の原因となります。

健康な方でも熱中症にかかるリスクがありますが、特に次の方は注意が必要です。
・暑さに体が慣れていない方
・体調が悪い方
・小さなお子さま
・高齢の方

熱中症にかかると次のような症状が見られます。

軽度な症状:立ちくらみがする、大量の汗が出るなど
中度な症状:頭痛や吐き気がする、体に力が入らないなど
重度な症状:意識障害やけいれんが起きる、運動に障害が出る、体温が上がりすぎるなど

●マンション室内の温度が上がりやすい原因
意外と多いのが、マンション室内での熱中症です。それは鉄筋コンクリートで作られているマンション特有の性質があるからです。

コンクリートには、次の2つの性質があります。
・熱を溜め込みやすい
・溜め込んだ熱を少しずつ放射する(冷めにくい)

上記2つの性質上、マンション室内の温度ピークは外の温度ピークより遅れる傾向があります。そのため、夜間のマンション室内であっても熱中症にかかりやすいのです。

2. 熱中症対策をしよう

夜間のマンション室内での熱中症対策は次の通りです。
・エアコンを積極的に使う
・水分を小まめに補給する
・吸汗・速乾素材の服を着用する
・窓リフォームで窓から入る熱を抑える

それぞれの熱中症対策について詳しく説明していきましょう。

●エアコンを積極的に使う
夜間は電気代が勿体ないからと、エアコンのスイッチを切ってしまう方がよくいらっしゃいます。しかし、前述したコンクリートの性質上、マンション室内の温度は夜間になっても下がりにくいのです。

夜間であっても積極的にエアコンを使い、熱中症を予防しましょう。エアコンの冷気が床付近に溜まりすぎるときや、室内が広く冷気が室内に行き渡らないときは、扇風機を併用してください。
熱中症
●水分を小まめに補給する
人は就寝中でも500mlほどの汗をかくと言われています。体内の水分が不足すると熱中症にかかりやすくなるため、就寝前やトイレに起きたときに水分を補給すると良いでしょう。塩分と糖分を含んだスポーツドリンクなどは特に効果的です。

●吸汗・速乾素材の服を着用する
就寝中に汗をかくと、服がべたべたして不快になりやすいです。快適に就寝できるよう、吸水性や速乾性のある素材の服を着用してください。これらの機能に優れている服は、汗が蒸発するときや、エアコンでの汗冷え予防も期待できます。

熱中症
●窓リフォームで窓から入る熱を抑える
日当たりのよいマンション上の階では、窓からの日差しによって暑くなりやすいですよね。そんなときは、窓ガラスに遮熱フィルムを貼るといった対策が有効です。

コーティングされた遮熱フィルムには、日差しによる熱を吸収・反射し、遮熱するといった効果があります。真夏の暑い季節であれば、遮熱フィルムによって窓際の温度を3度から5度ほどの低下させる効果が期待できます。窓際の温度が低下すれば、エアコンの設定温度を必要以上に下げずに済むため、節電にも繋がりやすいです。

更に、紫外線カットの性能を持つ遮熱フィルムもあるため、マンションのフローリングや家具などの日焼け防止も期待できます。
大きな窓の場合には、自分でフィルムを貼ろうとすると失敗してしまうリスクも大きいです。こうした作業を得意とする施工会社に依頼したほうが良いでしょう。

遮熱フィルムの他、高遮熱効果を持つ複層ガラスに交換するという熱中症対策もあります。

ただし、窓リフォームを行うときは、窓がマンションの共用部分と専有部分のどちらに属するのかに注意してください。共用部分である場合には、居住者個人の判断で勝手に工事をすることができないため、マンションの管理組合に窓リフォームができるかどうか確認しましょう。

3. それでも熱中症になってしまったときの対処法

どんな熱中症対策でも、完璧ではありません。対策を行っても熱中症になってしまったときは、次の対処法を実践してみてください。

●体を冷やして水分を補給する
熱中症の症状が見られたら、まずは体を冷やします。日陰の風通しの良い場所、エアコンが効いている室内などへ速やかに移動してください。
さらに、太い血管がある首筋や脇の下、太ももの付け根などに冷やしタオルを当てると効率よく体を冷やせます。
大量の汗をかいたときは、水分とともに塩分(ナトリウム)も不足しやすいです。真水を飲むと血中の塩分濃度が薄まってしまうため、塩分を含んだスポーツドリンクなどで水分を補給しましょう。

●重度な症状が見られる時は救急車を呼ぶ
意識障害があるなど重度な熱中症の症状が見られるときは、介抱する方が救急車を呼んでください。意識障害があるときは自分での移動が困難になるため、救急車が来るまでに介抱する方が涼しい場所に移動させます。
ただし、意識障害のある方に水を飲ませようとすると、呼吸するための気道に水が入り込む恐れがあります。救急車が来るまで待ったほうが良いでしょう。

夜間のマンション室内であっても、真夏の暑い季節はエアコンを使うのが望ましいです。もし熱中症にかかったときは、なるべく早期に涼しい場所に移動し、水分を補給しましょう。
環境省の熱中予防情報サイトでは、日本全国の暑さ指数を公開しています。暑さ指数には「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重注意」「危険」と4つのレベルがあり、熱中症の危険度が視覚的に分かりやすく示されています。今日は暑くなりそうというときは、出かけない日であっても暑さ指数を確認してみてください。

マンション室内でも油断せずに、しっかり対策をとって、暑い夏を乗り越えましょう。


《この記事のライター》
大塚 麻里絵
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター

(2019年7月1日記事更新)

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